事業計画書

※ 本書類は、本事業計画の具体的内容をはじめ、その目的・意図・思想など、当事業に関するあらゆる事柄の具体化・明文化を試みる目的において作成されたものである。

 

 

 

~Japanese “ZEN” singingbowl & good relaxation~

~おりん処~
【りん小屋】

事業計画書
~第1稿~

2021/11/06

 

①りん小屋とは?

りん小屋とは、『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーション』サービスを、顧客の求めに応じて商品として提供する事業体であり、その基幹となる店舗名までを含めた総称である。

 

⑴”おりん”による音波浴について

日本古来より現代に至るまで時代を超えて広く親しまれている伝統仏具『おりん』。

おりんが奏でる美しく澄んだ音色は、極楽浄土に御座す仏様のお耳にまで届くとも言い伝えられている。

↑ おりん ↑

さらに、そのルーツであると目されているチベット密教法具『シンギングボウル(唄う器)』の”摩”の奏法を取り入れつつおりんを奏でることによって、より深く持続的な音波による心身のリラクゼーション効果を期することができる。

店主による”おりん”実演動画

 

⑵りん小屋の事業内容について

本事業では、上記の効果を『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーション』と定義し、心身の”癒し”を求める顧客へと提供することを事業内容とする。

 

⑶補足

本事業はあくまでもおりんが持つ”楽器的側面”のみに着目・特化するものであり、仏教をはじめとした宗教的側面には事業として一切関与しないことを補足として明言する。

②本事業における『6W2H』について

『When(いつ)/ Where(どこで)/ Who(だれが)/ Whom(だれに)/ What(なにを)/ Why(なぜ)』の頭文字である6つの”W”と、『How(どうやって) / How much(いくらで) 』の頭文字である2つの”H”。

これら8つの要素は総じて『6W2H』と呼ばれており、ビジネスにおける根幹部を明確化するためのフレームワークとしてしばしば用いられている。

本項は、当事業計画をこの『6W2H』に当てはめることによって、その具体的な内容や意図・目的・思想など、本事業にまつわるあらゆる事柄の明確化・明文化を試みるものである。

What(なにを?):商品・サービスの具体的な内容は?

前項で述べたとおり、本事業におけるサービス内容について端的に表すならば、『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーションサービス』の一言に集約される。

そして、上記をより具体的な稼働内容として細分化したものが以下の3項目となる。

⒈ 本事業における拠点店舗でのサービス提供

本事業における拠点であり店舗となる物件については既に葛巻町内にて確保済である。

物件の詳細については別項にて後述するが、本物件は事業主の先祖が祖母の代まで暮らしていた空き家物件であり、現所有者である事業主の叔父(滝沢市在住)の許可も極めて協力的に取得済みである。

⒉ 各所への出張によるサービス提供

顧客の求めや各種イベントへの参加、さらに関連事業者との共同イベント開催など、出張によるサービス提供についても店舗営業とのバランスを考慮しつつ行うものとする。

尚、出張サービスの目的が端的には営利活動であることは無論であるが、本事業の宣伝をはじめ店舗や葛巻町への顧客誘導・PR活動といった広報的側面こそ極めて重要視するものである。

⒊ ITインフラを活用したオンラインでのサービス提供

『おりんの調べ』とは、すなわち『音声情報』である。

つまりは広く社会に流通している数多の『音声コンテンツ』と全く同様の販路を経て、必要とする顧客へと流通させることが可能である。

このことによって、上記⑵のサービスでは物理的にフォローが困難な顧客へのアプローチが可能となる。

さらに、歌詞などの言語情報が介入しない『おりんの調べ』においては、日本国内にとどまらず世界中が商圏であると考えられる。

※より仔細なサービスプランや販売計画については、別項の『How(どうやって)』『How much(いくらで)』にて後述する。

Where(どこで?):事業拠点・想定市場と顧客・物理的稼働範囲

⒈ 事業拠点および店舗物件について

前述のとおり、事業拠点および店舗となる物件については既に葛巻町内にて確保済みである。

物件は同町内触沢地区、旧田野小学校からほど近くの林道を徒歩で5分程登った山間にあり、四方は山や木々に囲まれ周囲には人家も無い。

いわゆる『ポツンと一軒家』であり、実に”葛巻”ならではの物件・環境であると言えよう。

店舗物件紹介動画

物件は空き家となっていた家屋建屋と離れの小屋を有しているが、このうち家屋建屋を店舗として再利用する予定である。(離れは事業主の居住スペース予定)

家屋建屋には南向きで眺望・日当たり共に良好な軒先と縁側に続いて、8畳+6畳の続き間の和室があり、『おりんの調べ』に癒されながらゴロ寝・昼寝・ヨガ・瞑想など、利用客それぞれが思い思いにのびのびとリラックスできる場としてまさしくうってつけの環境であると考えられる。

↑ 続き間↑
↑縁側↑

さらに軒先から屋外へ出ると足場も良く程よい広さの庭があり、その先には元々菜園であったフラットな草むらエリア大(目測5m×15m程度)や日光浴に最適な草むらエリア小(目測5m×5m程度)、

さらには水辺の生態系が目に楽しい天然ビオトープと化した池(目測2m×2m程度)などがある。これらも整備し屋外リラクゼーションスペースとして利用客に解放予定であり、利用客にとって大いに魅力的な空間と成り得ると目している。

加えて、山居である本物件を穏やかに包み込む山間特有の自然環境音は、本事業の根幹部である『おりんの調べ』との相性も極めて良好であり、

《おりんの妙なる調べに耳を寄せていたら、山鳥の唄声や遠くに聞こえる馬淵川のせせらぎが、まるで交差するかのように心地よく耳をくすぐりはじめる。》

といった、都市生活ではおよそ体験し得ないであろう唯一無二の自然的音浴体験をサービスとして提供できるものと考えると同時に、葛巻の自然および環境音とおりんの音色とが調和したこのパッケージこそが店舗における本サービスの最大の独自性であると事業主は目する。

また、山間の豊かな自然と調和しながら生活してきた人間山居の環境も、癒しを必要とする都市生活者にとって極めて魅力的な休暇の提案のひとつと成り得るであろうと事業主は強く確信する。

※より具体的な店舗整備計画は別紙にて。

⒉ 想定する市場と顧客について

1⃣ 顧客ターゲットについて

・癒しを必要とする都市生活者

前項でも軽く触れたが、本事業では『癒しを必要とする都市生活者』を顧客のメインターゲットのひとつとして目している。   

(ちなみに葛巻町民の来店も大歓迎ではあるが、同町民からの代金直接支払いによる金銭的な利益は一切追及するつもりはなく、同町民とその他顧客とで料金設定を明確に区別するつもりである。詳細は別項『How much(いくらで)』にて後述するが、本事業の主目的のひとつはあくまでも『(町)外貨の獲得⇒町・地域への還元』である。)

甚だ遺憾ではあるが、当世は『こころの疲れ』に苦しむ人が後を絶たない時局にあり、こうした状況は今後ますます進行の一途を辿るであろうと事業主は目している。

そしてこの傾向は、都市生活者においてより顕著であると考える。

こうした『こころの疲れ』への”癒し”を必要とする潜在顧客にとって、本事業がひとときの安息を得るための一助となれたならば、それこそが本事業における本望である。

そして日常へと還った顧客の安息がさらに他者へと伝染したならば、それが仮に微々たる影響だとしても延いては公共の平安へと繋がるものと考える。

これこそが、本事業の行動原理となるもうひとつの大目的である。

加えて営業的観点からの目論見を述べると、上記サービスを通じてひとときの安息を得た都市生活者である顧客が、その対価として都市圏から持ち込む経済を本事業へと、さらには食事・宿泊・観光などの各種アクティビティを通じて葛巻町へとドロップする事が期待できる。

上記を総ずると、本事業が顧客のメインターゲットのひとつとして目する『癒しを必要とする都市生活者』は、『(町)外貨の獲得⇒町・地域への還元』という本事業の大目的へと至る流れにおいて、主力のひとつとして成立する可能性が大いにあると言えよう。

そればかりではなく、『公共の平安への貢献』という本事業におけるもうひとつの大目的においても、その両者が両立しつつ成立する可能性を秘めていると目するものである。

非常に皮肉的であり大変不本意ではあるが、先述の未来予測に基づき考察すると、本事業に対する社会的ニーズも比例的に増加するであろうと事業主は目している。

私人として願わくば、上記目的において本事業が必要とされない世の中となることを切望するばかりではあるが、その一方で人間が人間であるかぎり社会においてこの需要は永続的なものであろうとも諦観を以て推察する。

※想定されるその他の顧客層については、次項の『想定する市場』を経て後述する。

2⃣ 想定する市場

まず本事業においては、両者間の同意に基づいたビジネス上の協力関係を前提条件として、商いの相乗効果が期待できると判断される事業者とは積極的に連携を図り、互いに成長・発展してゆけるようなビジネススキームを恒常的に模索しつづけることを基本的理念のひとつとし、この相手事業者を”共業者”として定義する。

尚、共業者の選定において個人・法人・行政・団体などの業態は問わないものとする。

上記の基本的理念を大前提としたうえで市場について想定してみると、およそ山間の個人商店としては補いきれない程に広大かつ重層的な市場が浮き彫りとなる。

本項では、上記によって想定された市場の中からメインターゲットと成り得るであろうと目する市場をいくつかピックアップして以下に記述する。

・リラクゼーション市場

本事業のサービス内容が『音波浴リラクゼーションサービス』である以上、先ず最初に想定すべきなのがこの『リラクゼーション市場』であることは無論であろう。

この『リラクゼーション市場』を大別すると、マッサージ院・鍼灸院・整骨院・整体院などを含む広義の”リラクゼーション業界”と、”リラクゼーションサロン”としてリラクゼーションそのものに特化したサロン形態の業態という、2つの市場が浮かび上がる。

ここでは前者を【リラクゼーション業界】、後者を【サロン業界】と定義し、それぞれの市場の現状および展望について探りつつ、両市場における当事業の可能性についても同時に考察してゆく。

【リラクゼーション・サロン市場の現状・展望 および 市場における当事業の可能性】

インターネット最大手検索サービスgoogleにて『リラクゼーション 市場規模』とキーワード検索してみたところ約 699,000 件の検索結果が得られた(2021/10/23時点)。そのうち1位から3位の記事を閲覧すると次のようなトピックスが目に留まる。

[引用1]株式会社矢野経済研究所が2020年1月発表した「国内リラクゼーション市場調査結果」を見ると、2018年の国内リラクゼーション市場規模は1,196億円となっており、2014年以降増加傾向となっている。(j-net21 https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/06003.html )
[引用2]マッサージ院、鍼灸院、整骨院、整体院などを含むリラクゼーション業界全体の市場は、2020年には16兆円(2007年度4兆円)になるとみられており、現在のコンビニ市場規模である9兆円を大きく上回ると予測されています。(※推計 出展:大阪産業創造館セミナー資料)
( prtimes.  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000047992.html )
[引用3]厚生労働省の統計によると、2016年には13万6460カ所が存在しており、全国のコンビニ店舗数の約2倍の数にのぼります(18年11月現在で5万5695店舗、日本フランチャイズチェーン協会調べ)。(PRTIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000047992.html )

上記の[引用1]はサロン業界、[引用2][引用3]はリラクゼーション業界についてのトピックスであろう。いずれにしても、現時点ですでに強固な地盤が出来上がっている強靭な市場であることが窺える。

次に、当事業の根幹部である『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーション』についても同様に探ってみたところ、『おりん 音波浴』『おりん リラクゼーション』という極限まで単純化した検索ワードにおいても、両者を統合したパッケージとして提供するような市場はおろか事業と推察されるような検索結果すら得られなかった。

では果たして、『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーション』というサービスには需要が無いのであろうか?

否である。

検索ワードをおりんの兄弟とも言える『シンギングボウル』へと変えてみると、上記とは全く異なる検索結果を得ることができる。

まず日本語で『シンギングボウル』、英語で『singing bowl』と2つの検索結果を求めてみたところ、両者ともにリスティング広告を除外した自然検索結果の最上位は最大手動画サイトyoutubeへのリンクページであった。

(リスティング広告=広告主が有償にて検索結果最上位へとリンクを表示させている広告。リンク画像の赤字部分。 参考画像リンク)

上記に従いyoutube内で同様に『シンギングボウル』『singing bowl』の2ワードで検索し、結果を視聴回数の多い順に並べてみると、

  • シンギングボウル ⇒視聴回数1位:523万 回視聴 ~ 視聴回数3位:101万 回視聴
  • singing bowl     ⇒視聴回数1位:2583万 回視聴 ~ 視聴回数3位:1121万 回視聴

ちなみに上記範囲内でのいずれの動画も音声や実演が主体のyoutubeコンテンツである。このことからは、シンギングボウルの音や実演そのものに対する定量的な需要が既に存在していることが推察される。

上記を踏まえて総ずると、シンギングボウルとニアリーイコールの同祖兄弟であり、日本古来からの伝統仏具として日本国民に広く浸透している『おりん』の音声情報と、それを用いたリラクゼーション体験サービスには、既に潜在的な需要と市場が大いに存在していると推測できる。

そればかりか、現状において競合相手も存在していない当事業においては、その船出とも言えるスタートアップから初期安定期までをまさしく『濡れ手に粟』状態で悠々と漕いで行ける可能性が大いにある、と事業主は推察する。

さらに、実務については別項『How(どうやって)』内にてより具体的に後述するが、おりん実演の際に必要となる物理的スペースは座布団2枚分ほどもあれば充分であり、この事は個人事業主や小規模事業者によるスモールスペースでの運営が多くを占めるサロン業界・リラクゼーション業界との共業を図るにあたって、極めて有利に働くであろうと推察できる。

↑店舗におけるセッティング例↑
↑出張用コンパクトセッティング例↑

加えて、既存のリラクゼーション業界にて用いられている技法とは全く異なる独自性を本サービスが有するため、業務内容がバッティングすることもないばかりか、既存業界の技法にそのまま添加可能なプラスアルファの商材として提案できる点も本サービスの強みとなろう。

踏まえると、出張時の物理的距離などを一旦度外視して考察した場合には、全国のコンビニ店舗数の約2倍の数にのぼるとも言われているリラクゼーション店舗のすべてが、当事業の共業者候補と成り得る可能性があると言えよう。

なお補足として、本項で出てきた

  • 〈日本古来からの伝統仏具として日本国民に広く浸透している『おりん』〉
  • 〈実演の際に必要となる物理的スペースは座布団2枚分ほどもあれば充分〉
  • 〈業務内容がバッティングすることもなく、既存業界の技法にそのまま添加可能なプラスアルファの商材として提案できる〉

という3点のキーポイントは、本事業が恒常的に有している極めてポジティブな営業的メリットであり、以降はこのキーポイントを大前提としたうえで解説を進めることとする。

・ヨガ市場

本事業において極めて有力な共業者候補と成り得ると目しているのがこのヨガ業界である。

古代インドにルーツを有し、仏教をはじめとしたインド諸宗教との結びつきも深いヨガは、チベットのシンギングボウルや日本のおりんとはいわば同祖の親類とも言えよう。

心身の深いリラクゼーションを是とするヨガにおいては、穏やかなヒーリングミュージックがBGMとして好まれる傾向にある。

このBGMを『おりんの調べ』に置き換えるという提案は、ヨガ愛好家はもちろんのことヨガスタジオやヨガクラスを有するフィットネスクラブなどのヨガ事業者にとっても好意的に受け入れられるであろうと本事業主は推察するものである。

ここからはヨガ市場の現状及び展望について探りつつ、同市場における当事業の可能性についても同時に考察してゆく。

【ヨガ市場の現状・展望 および 市場における当事業の可能性】

ヨガ業界について先ずは簡単に調査してみたところ、ヨガマットやウェアなどの『ヨガ関連物販業界』と、ヨガインストラクターを介しフィットネスやアクティビティとしてユーザーが能動的にヨガを実践する『ヨガスタジオ業界』に大別されることがわかった。

本事業において共業候補として目しているのは後者である。

踏まえて前項と同様に、『ヨガスタジオ 市場規模』というキーワードでgoogle検索を試みたところ、検索結果上位には以下のようなトピックスが見受けられた。

[引用4]現在世界的に普及している一般的なヨガは、イギリスにおいて19世紀後半から20世紀前半に西洋で発達した身体鍛錬運動に由来している。ヨガ人口は人口350万人、市場規模2,107.6億円となっている(第一生命研究所 経済調査部 調べ)。
(j-net21 https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/2020021301.html )
[引用5]昨今の筋トレブームや健康寿命への意識などから、フィットネスクラブ業界の市場規模は2018年には約4,800億円に達し、今後もますます成長していくものと考えられています。
(レントプロ https://rentpro.jp/archives/940)
[引用6]フィットネスクラブでもスタジオプログラムの50%程度がヨガ・調整系のプログラムで占めるようになりました。 ヨガ専門店もヨガポータルサイト「YOGA ROOMヨガルーム」に登録されているスタジオだけでも6700件を超えています。
牛丼チェーン店と比較すると、吉野家、松屋、すき家の合計5300件を大きく上回っていることになるのです。 株式会社セブン&アイ出版が公表した「日本のヨガマーケット調査2017」では、現在の市場2,600億円の2倍程度に市場拡大すると予想されています。
(ATcompany https://www.a-t-company.jp/column_besta/ )

ここでもまた、ヨガ業界が現時点ですでに強靭な市場であることが窺える。

加えて、こちらも同様にyoutubeにて『ヨガ』のキーワード検索を行い再生回数順でソートしてみたところ、1位がキッズ向けのヨガポーズのレクチャーおよび啓蒙アニメーションで2億 回視聴。2位が初心者向けヨガレッスン動画で 2790万 回視聴。3位には例外的に【YOGA MONKS】というタイトルのテクノミュージックPVが割り込んでいたが、その後はすべからくヨガの実践的レッスン動画であり安定的に多くの再生回数を獲得していた。

また、ヨガレッスンを動画配信しているヨガインストラクターyoutuberについても併せて調査してみたところ、ここでも安定的に多くのチャンネル登録者数を獲得している事がわかり、固定客からの安定的な支持を獲得していることが窺えた。
(参考リンク:お家ヨガにおすすめ!ヨガの人気YouTubeアカウント10選)

さらに前項と同様に、『ヨガ シンギングボウル』の検索ワードを調査してみたが、やはり前項同様に競合と目されるような事業体は確認できなかった。

・葛巻町との連携について

想定市場の項目に自治体である葛巻町を記載することの適切性はさておき、本事業では拠点を置く葛巻町との適切かつ持続的な共業関係・連携体制の構築を、創業計画の時点から明確に視野に入れていることをここに明言する。

現時点でのより具体的な企画案などは別項『How(どうやって)』に後述するが、町や町内事業者などが主催するイベントの内に『おりんの調べ』が無理なくマッチするような企画があれば極めて前向きに協議・検討し、また本事業から町や町内事業者へのタイアップの提案などにも積極的に取り組んでゆきたいと考える。

つまり端的に述べると、『りん小屋は、大好きな葛巻町とず~っと仲良くしたい!』の一言に尽きるのである。

・ITインフラ内に存在する市場

前述のとおり、『おりんの調べ』とは、すなわち『音声情報』であり広く社会に流通している数多の『音声コンテンツ』と全く同様の経路に乗じて、それを希求する顧客へと流通できる。

これによって実演範囲外にある潜在顧客へのアプローチが可能となり、このことは事業収益はもちろん周知および集客面においても有意義であると言えよう。

そしてその効果は、ITインフラが敷設されたすべての地点へと及ぶ。

ここまでが本稿における大前提となる。

このIT空間での流通を目的として、本サービスの根管部である『おりんの実演』をITコンテンツ化する場合には、『音声ファイル』と『実演動画』の2形式が主となる。

以下に、ITインフラを介した本サービスの利用が想定されるユーザー層について、上記2形式ごとに分析する。

・音声ファイル

本稿が定義する『音声ファイル』とは、本事業によるおりん実演を収録した音声情報をデジタルファイル化したものを差す。

これは音声のみに特化したファイルとなり、後述する実演動画によって再生される音声とは比較にならない高解像度の音声情報となる。

つまり、音声ファイルの流通においては、動画ファイルに付随する音声以上の、より良い音質の音声情報を希求するユーザーが対象となる。

また、BGMとしての使用を想定するユーザーも対象となる。

両者の共通点としては、『おりん実演風景』という視覚的エンターテインメント部分を必要としていない点にあり、その再生において画面ディスプレイを使用せず純然たるステレオ環境での利用が想定される。

ここまでを踏まえると、リラクゼーション施設などでBGMとして使用する『施設BGM利用者』と、私室でのリラクゼーション・ヨガBGMや導眠音楽としての利用、さらには音楽愛好家による鑑賞などを想定する『私的利用者』の、大きく2種類のユーザー層に分類される。

この内の『施設BGM利用者』に関しては、リラクゼーション店舗やヨガスタジオなどの前述した市場内にある施設すべてが潜在的ユーザー層と成り得る。

「きっと全部のお店が買ってくれるはずさ!」などとは当然思っていないが、なにせ全国のコンビニの2倍以上という大商圏であり、ここを狙わないのは愚の骨頂である。

加えて、同種の施設は国内のみに存在しているわけでは無い。ITインフラが敷設されたすべての地点が商圏である。

「数打ちゃ当たる」ではないが、上記の市場を想定するとある程度の売上は期待できるものと楽観する。

加えて、『売上-コスト=利益』である事は周知であろうが、本事業におけるコンテンツ生産コストは実に微々たるものである。

コストとなるものは、事業における初期投資としてはささやかな収録機材費および、実売時のみに発生する販売サイトへの手数料、後は月々のネット代金くらいであろうか。

いずれにせよ、基本的に事業主が録音ボタンを押しておりんを鳴らすだけである。

赤字の懸念が無い時点で、とりあえずやってみる価値がある。

そして実のところ、数打つ必要すらない。

ひとつコンテンツを創ったならば、それを電脳空間にある配信インフラに放置しておくだけで、まるで自動販売機の様にチャリンチャリンと購買されるのがデジタルコンテンツビジネスの旨味である。

無論、ひとつと言わずコツコツと増やせば増やす程に、チャリンチャリンもまた加速する。

加えて、『How(どうやって?)』にて後述するIT広告戦略を実行した場合には、その相乗効果は如何ばかりであろうか。

尚、詳細は『Who? : 誰が?』において後述するが、事業主は過去に録音監督業を営んでいた経験があり、音声収録に関しては一定以上の知見を有していると自負すると同時に、往時の人的コネクションも場合によっては活用できるため、音声収録に関する技術的部分は問題にならない。

あとは淡々と上記を遂行するのみである。

次に『私的利用者』について分析する。

長くなってきたので手短を心がける。

『私的利用者』についても当然に、この自動販売機から購買できる。

本稿はあくまでも”市場”についての分析であり、具体的な手法は『How(どうやって?)』にて後述するものとして、ここではこの『私的利用者』について軽く分析する。

『私的利用者』について考えた時、まず第一に顧客層として想起されるのは上記施設の利用者であろう。

『施設BGM利用者』を販売における点とすると、その顧客が消費者層という面となり、その面の内部には顧客数の分だけ潜在的な『私的利用者』が存在することとなる。

より動的に販促を図るならば、『施設BGM利用者』に対してバックマージンを提示すれば自動的に拡散される。これも広義の共業と言えよう。

この際の技術的な詳細は省くが、既存のITサービスを介して容易に可能となる。

そしてこの自動拡散のスキームは、やがて『私的利用者』の内にも及ぶであろう。こうなれば点が自動的に増殖するわけである。

この期に及んでも本事業が遂行する始点はほぼ変わらない。

録音ボタンを押しておりんを鳴らし、点となるであろう層に広告するのみである。

そこで嵩むコストは初期に持ち出す微々たる広告費と、実売時に売上金から点へと自動で支払われる黒字確定済の広告費のみである。

やはり赤字の懸念が無い時点で、とりあえずやってみる価値がある。

そして第二に、前述の市場以外にある潜在的顧客層についてである。

手短にまとめるため、先に挙げた『音楽愛好家による鑑賞』と『導眠音楽としての利用者』のみに絞って解説する。

まず音楽愛好家については、先に挙げた『シンギングボウル』のyoutube再生数が人気のバロメーターとなろう。

そしてこの再生数の中には、『導眠音楽としての利用者』による再生も含まれると目する。なにせおりんの音はよく眠れる。なんなら犬やらネコも寝る。

睡眠 市場規模』で検索してみると、以下のトピックが直ぐに目に留まる。

日本における2020年のスリープテック市場規模は1.2兆円以上、潜在市場は3兆〜5兆円にのぼると言われ(寝具新聞社の調査より)、世界市場では2024年に約1,000億ドル(約10兆円)規模まで拡大するとも予測されています(Accurize Market Researchの調査より)。

”スリープテック”とは「Sleep(睡眠)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた造語であるとの事。導眠音楽も広義のスリープテックと言えよう。やはり超巨大市場である。

導眠音楽の収録については、やはりボタンを押しておりんを鳴らすのみ。

再三の繰り返しとなるが、赤字の懸念が無い時点でとりあえずやってみる価値がある。

最期に補足を加えると、私的な利用者に対しては、よりパーソナルなオーダーメイドのようなコースを設ければさらに訴求も向上するものと考える。

諸般の具体的な実施計画については『How(どうやって?)』にて後述することとして、話題を次に進める。

・実演動画

youtubeをはじめとした巨大な動画市場については周知であろう。

録音ボタンを押すついでに、録画ボタンも押せば実演動画の出来あがりである。

無論コストもまったくかからない。加えてyoutubeでのsinging bowlの人気である。

ついでのひと手間の副産物で、巨大な動画市場からの広告収入の機を窺えるのであれば、これを実行しない手はない。

以上である。

・その他の想定市場について

山間の個人商店である本事業にとっては前述した巨大市場群だけでも手に余るほど広大ではあるが、その他にも音楽愛好家や昼寝好き、葛巻ファンやペット業界に加えて田舎暮らしにシンパシーを感じる人々など、多種多様な顧客層が想起される。

また、現時点の本事業主には想像もつかないような市場やクラスタからの引き合いや提案の可能性もゼロでは無いと考える。

市場からより掘り下げた想定顧客層については別項『Whom(だれに)』などで後述するが、想定の内外を問わずあらゆる顧客ニーズに対して常に前向きに検討することも本事業の基本姿勢であることを明言し本項の結びとする。

⒊ 物理的稼働範囲について

前項で〈全国のコンビニ店舗数の約2倍の数にのぼるとも言われているリラクゼーション店舗のすべてが当事業の共業候補者と成り得る可能性がある〉と大言したが、これはあくまでも物理的稼働範囲を度外視した場合であり、特に事業体力に乏しい創業初期の段階では物理的な稼働範囲をある程度絞ったうえで営業活動を行うべきであろう。

その理由は、先に述べた〈出張サービスの目的が端的には営利活動であることは無論であるが、本事業の宣伝をはじめ店舗や葛巻町への顧客誘導・PR活動といった広報的側面こそ極めて重要視するものである。〉という一文に集約される。

つまるところ、出張自体が店舗および葛巻町への顧客誘導・PR活動を主目的としている以上、拠点店舗から離れた際の物理的稼働範囲について設定する際に、誘導を促す対象顧客が葛巻町までのアクセスについて躊躇するような地点を含めては、主目的において非効率的となり、これは回避すべき事態であるという判断に拠る。

加えて、店舗および葛巻町への顧客誘導・PR活動を主目的に効率化を図るならば、ある程度人口が集約された都市部を優先して営業範囲を設定すべきであろう。

上記を踏まえた稼働範囲を、以下に事業スタートからの時系列的優先順に箇条書きにて記述する。

なお、各項目の右側カッコ内の数字は、同エリアにおける(リラクゼーションサロン/フィットネスクラブ/ヨガ)のiタウンページ 内での検索ヒット数である。

  • ⒈盛岡市を中心とした岩手県内の都市部(41/61/9)
  • ⒉仙台市内(79/84/10)
  • ⒊東北新幹線・東京駅を中心とした首都圏(851/876/274)
  • ⒋秋田・青森などの隣県都市部(29/54/4・39/65/4)

以下に、上記エリアにおける個別の営業的意図および戦略を簡潔に記載する。

 

【設定エリアにおける個別の営業的意図および戦略】

⒈盛岡市を中心とした岩手県内の都市部

開業初期段階において迅速かつ効率的に関係事業者とのコネクションを構築し事業基盤を固めるためには、やはり至近の都市圏である盛岡市など岩手県内の都市部を攻略目標とすべきであろう。

具体的な初期攻略対象・営業先としては、ヨガインストラクターやリラクゼーション店舗責任者など、先にターゲットした市場において同地点ですでに顧客を獲得している小規模事業者に狙いを定める。

小規模事業者同士であるがゆえに共業についての交渉・手続きも比較的簡素に済む点や、対象となる事業者の既存ビジネスに対して本サービスが無理なく添加できるプラスアルファの商材(キャッシュポイント)として提案可能であることに加えて、実演において物理的スペースや電源などのインフラを占有する必要もない、『おりんの調べによる音波浴リラクゼーションサービス』との共業に対して魅力を感じる事業者は、iタウンページ調べの県内店舗数を考慮すると無理なく複数見つかるのではないだろうか?と楽観するものである。

さて、上記のプロセスを経て関連事業者との共業マッチングが実現した、と仮定しよう。

次のステップとしては、事業者やその顧客に対し実演・口頭・動画・写真などを駆使して当店舗の存在や葛巻町の魅力を存分にアピールする。

おそらく岩手県民であれば、葛巻町に対する認知や好意は既に有しているものと思われるため、後は盛岡からのアクセスも良好な葛巻町への来訪の”きっかけ”として、当店舗への誘導を促すだけである。

上記プロセスを反復実践することで地道に認知を拡大しつつ、並行して有償・無償問わず効率を是とした広告活動も行うが、より仔細な営業戦略は別項『How(どうやって)』にて後述する。

⒉仙台市内

岩手県内におけるビジネスサイクルをある程度確立出来たならば、次に狙うのは自ずと100万人都市・仙台市となろう。広大な岩手県の人口とほぼ同等の人口を有する大都市である仙台市ならば、極めて効率的に宣伝活動が行えるものと期待する。

さらに、東北における情報・文化の集積地であるとも言える仙台市には、宮城県内をはじめ東北全体への情報波及効果があるものとも期待する。

尚、事業主にとっては葛巻から盛岡への移動も仙台への移動も”似たようなもの”と認識しており、物理的な距離はまったく問題とならない。むしろ人口メリットを存分に活用できる大都市がこれほどの至近距離にあることが幸運であった、と認識している。

しかしながら、仙台をはじめとした岩手県外での活動においては、新型感染症の状況を精査しながら都度慎重に検討するべきであろう。願わくば、新規開業時には状況が好転していてほしいものである。

尚、戦略的プロセスについては岩手県と概ね同様であり、基本的に国内においては基本的にこのスキームをベースに営業活動を行いつつ、状況に応じて臨機応変に対応するものとする。

⒊東北新幹線・東京駅を中心とした首都圏

東北の雄・仙台市を攻略した後には、東北新幹線の始発駅・東京駅を中心とした首都圏を攻略目標とし、ここを一旦の物理的稼働範囲の終点とする。

世界的大都市・東京の経済力については説明の必要すら無かろうが、東京を終点と定めた最大の理由は、東京駅から葛巻にある本店舗までを公共交通の利用にて日帰り往復が可能である点に他ならない。

このことは葛巻町民にとって既知であるかもしれないが、首都圏在住者にとっては驚きの事実として捉えられるであろう。

丸の内OL マチコの場合

・東京の電車は今夜もキュークツ。 はぁ…最近都会にちょっぴり疲れちゃったかも… な~んか軽く日帰りで自然に癒されたい気分かもー… 

あ、そういえば通ってるジムのヨガの先生が「りん小屋オススメ!」って言ってたかも。(スマホポチポチ)

…イワテ? 自然多そう。 クズマキ?どこそれ初耳だし。 へー、なんか山の中だし癒されそう。 あ!牛乳飲みたいかも!

…まあ日帰りできるみたいだし明日は日曜日だし、朝7時過ぎの東京駅ならまあヨユーだし…行っちゃうし!

  

・東北新幹線の窓側席。緑の田んぼめっちゃキレイだし!ヤバ‼ 

…とかいってたら10時前にはもう盛岡駅。そこからバスに乗り換えて、ますますイナカな岩手の風景メチャいーじゃん! 岩手山カッケェ!!

…とかとか言ってたら、お昼にはもう葛巻駅!なんだマジで近いんじゃんクズマキ!

りん小屋さんは13時開店らしいから、葛巻駅で牛乳買ってバス駅周辺でおいしいランチでもたーべよっと♡ ってかバス駅ってw マジめんこいしwww

・タクシーでりん小屋さんに向かう途中。 運転手さんのトーホク訛りが『旅してる感』あってたのしーかも♡  ってか、ナマってて何言ってるのかあんまわかんないけど、いい人なのはメチャわかるかも!

で、運転手さんとおしゃべりしながらりん小屋に向かってたら、「マジで?」ってレベルで景色がどんどんイナカにw あ!ウシさん発見!ウシでっけぇ! てゆーか川超キレイだし!ヤバイ癒されまくりかも~!!

牛乳もおそばも自然ってカンジでメッチャ絶品だったし、どこ見ても景色キレイだし…クズマキちょーサイコーじゃん!ちょっとヤバくない!?

・今は17時10分前。りん小屋さん出て帰りのバス待ち中。バス100円ってw

…ってか、りん小屋マジでポツンと一軒家だったしw めっちゃ癒された~! インスタ映え写メも撮れまくりだし、おりんの音が気持ちよくってガッツリ昼寝しちゃったし…癒しパネェww

クズマキまた来たい!てゆーかゼッタイ来るし!!

えっと…葛巻駅から盛岡行きのバスまで一時間ちょい待ち時間あるみたいだし、クズマキのワインが呑めるお店で自分へのごほうびディナーし~ちゃおっと♡

・現在21時を過ぎたところ。東京行きの新幹線車内。ついついお土産用のクズマキワインとチーズ開けちゃった♡ だってめっちゃオイシーし!スクリューボトルだからチョイ飲みできちゃうしw

は~、しかし葛巻マジのんびり出来たなぁ♡ 23時過ぎには東京駅着けちゃうし、りん小屋でもバスでもグッスリ寝れて体力全回復だし! 明日もお仕事がんばろーっと! あ、クズマキで撮ったインスタめっちゃ”いいね”されてるじゃん!ヤバ!

…ってか日帰りでもサイコーだったけど、クズマキがこんなにいいトコって知ってたらお泊りしたかったかも・・・(スマホポチポチ)

ん?なになに?グリーンテージ? わっ! ここ建物も景色もクズマキっぽくてめっちゃキレイだしゴハンもスイーツもおいしそうだしヤバくない!?

次の連休ヨガ友誘ってココ泊まってゆ~っくりクズマキ満喫しちゃいたいかもっ‼(予約ポチポチ)

・マンションに着いたらまだ23時半。日付が変わる前に家帰れちゃったし。なんなら残業より帰り早いし、やっぱ葛巻マジ近いし!

・・・ってか東京人多すぎ。なんか空気臭いしマジうんざりかも・・・

クズマキで暮らせたらサイコーかも~・・・(スマホポチポチ) え!? ちょっと待って!? 葛巻町の移住支援ってめっちゃ充実してるじゃん!ヤバw 

残ったワイン呑みながら空き家バンク調べちゃうし~‼ (スマホポチポチ)

~つづく~

 

上記は事業主の単なる妄想ではあるが、前述の市場規模を踏まえるとこのようなケースも有り得て然りであろう、と事業主は楽観する。

つまり、〈癒されたいけど、自然や田舎は遠いし…〉という先入観を抱きがちな首都圏在住者に対して、本事業をきっかけにまずは『日帰りできちゃう超癒しスポット・葛巻』の存在そのものを認知してもらいつつ、さらには初回の来訪を促し葛巻全体の魅力を存分に体感していただき、ひいては葛巻ファンとして自動的にリピート客となってもらう為の導線づくりという、この目論見こそが本項の目的そのものなのである。

⒋秋田・青森などの隣県都市部

首都圏までをも商圏とした頃であれば、本事業の経営もある程度安定的になっているであろうと楽観する。

そうした頃には、稼働範囲内において本サービスを真に必要とする顧客へとくまなく提供する事こそが本事業における社会的意義というものとなろう。

その場合、秋田・青森などの隣県のみならず、東北新幹線の各停車駅も稼働エリアに含まれてくる。

『真に癒しを必要としている方にとっての、ひとときの安息の一助となれれば本望である。』

この基本姿勢もまた、前述のとおり本事業の極めて重要な大目的のひとつなのである。

※ 海外展開について

具体的な営業戦略については別項『How(どうやって)』にて後述するが、前述のとおりIT空間においては自動的に世界中が商圏となる点や、先に挙げたyoutube内における『singing bowl』の検索結果とその人気を鑑みると、日本国外からの実演オファーが無いとは言い切れない。

可能性として海外出張への備えは考慮しておくべきであろう。

無論ここでも一貫した大前提として、出張の目的は『店舗および葛巻町への顧客誘導・PR活動』に他ならない。

上記を踏まえて、仮に国外から実演オファーがあった場合に特に慎重に精査すべきは、『インバウンド客の誘致に繋がるような効率的なPRが成立し得るオファーであるか?』という点であろう。

一例として、欧州人の中流~富裕層、つまり一定以上の購買力を有する層の中にはシンギングボウルや日本文化などオリエンタルな趣のある文化に対して憧憬を抱く層が少なからず存在している、と私感ではあるが目している。

こうした層に対して、『おりん』を『Japanese singingbowl』『Japanese “ZEN” bowl』などと耳障りよく英訳し紹介したら案外興味を惹くものと成り得るであろう。

仮定として、ベルリンやパリなど欧州のいずれかの大都市から実演オファーがあったとしてみよう。

そうした場合には、シェンゲン協定 加盟国の他の大都市での実演も”ついで”に行えるため、複数都市の会場をブッキングしツアー形式とすることで、ひとつの都市への出張と同程度のコストにて、より効率的なPR活動とすることができる。

こうしたツアー活動は、現地プロモーターなど同地域でのコネクションを有する共業者を得た場合には比較的容易に実現可能であろう。

そして無論、欧州以外の地域においても上記スキームはおおむね同様である。

加えて、中流以上の欧州人はバカンスと称して、一般的に毎年およそ1ヶ月程度もの長期休暇を楽しむと耳にする。

大前提として新型感染症の状況次第ではあるが、このように購買力を有するインバウンド客がバカンスとして葛巻での避暑をエンジョイしに訪れる、といった図式もなかなかに乙なものであると事業主は空想するものである。

ちなみに補足として、出張実演における採算性についてはこれまで一切触れてこなかったが、何故ならば、地点の遠近を問わずあらゆる出張実演が出張経費を踏まえた上で”黒字”を前提として執り行われることは至極当然であり、まさに”言うまでもない”事であるからに他ならない。

「せっかく呼んでくれたから、赤字だけどムリして出張するぞ!」などという愚行は断じて行わない。本事業はあくまでも”営利活動”である。

仮にクライアントとの協議を経たうえで採算性が疑わしい様な出張案件だった場合には、丁重にお断りし粛々と店舗での営業に勤しむのみである。

尚、採算性についての詳細は別項『How(どうやって) / How much(いくらで) 』にて後述する。

Whom(だれに?):具体的な想定顧客は?

⑵の『Where(どこで?)』と一部重複する部分もあるが、本事業への理解をより深めるためにも、想定する顧客層についてここで改めてまとめて記載する。

⒈癒しを必要とする都市生活者

先述した通り、リラクゼーション市場およびスリープテック市場の潜在顧客層として最も有力ともいえる『癒しを必要とする都市生活者』は、本事業におけるメインターゲットのひとつである。

詳しい解説は前述に委ねるが、ここで補足として『都市生活者』の定義を明確化しておくと、葛巻町民と比較した場合には日本国民の大部分が都市型のライフスタイルにて生活していると本事業では目している。

つまるところ本事業においては、日本国民の大部分を『都市生活者』と見なしているわけである。

踏まえて、実際の出張実演においてはPR効率を踏まえて人口集中地区を会場として優先はするものの、前述にて定めた稼働範囲内であれば『条件さえ合えばどちらへでもお伺いいたしますよ。』というのが本事業の基本的スタンスである。

⒉想定市場における消費者層

前述のとおりリラクゼーション・ヨガ・スリープテック業界などなど、本事業が想定する市場群には既に多数の消費者が存在する。この消費者層を、同市場内事業者との共業を通じて本事業にも誘導しようという目論見である。

共業において相手の既存サービスとバッティングすることなくマッチできる点が本事業の強みのひとつであることは前述の通りであるが、これには『本事業から提案する共業に際して、小規模事業者が主であろう相手事業者から本事業に対する謝礼金・報酬など直接的な資本を捻出させる必要がない』というメリットも内包されている。

この事は、相手事業者が共業について検討する際の心理的ハードルの低減に大いに役立つであろう。

つまり上記スキームにおいては、相手事業者が持ち出す資本から対価として本事業が利益を得るのではなく、あくまでも相手の事業に本事業がプラスアルファの追加有償コンテンツとして参画することで、両者共にユーザーの代金支払いから得られる対価を分配しようという寸法であり、あくまでも利潤は消費者たる顧客から獲得しようという企画なのである。

この際、既に固定客を有する相手事業者にとっては『おりん』とのコラボという点が目新しさやサービスの訴求力および顧客満足度の向上などに役立てられつつ、新参である本事業にとっては即時的な売上金の獲得および販路開拓・顧客獲得・認知向上・市場関係者とのコネクション拡大などが期待でき、結果として双方のビジネスにとって大きなメリットをそれぞれが共有できるものと考えられる。

尚、上記の『対価の分配』という形式はあくまでも本事業から共業を提案した場合のスキームであり、本事業が共業のオファーを受けた場合には集客不足による赤字リスクや利益分配時の事故など諸般のリスクを未然に防ぐために、企画主との事前同意に基づいた金額の実演代金をあらかじめ設定した上で実務に着手するものとする。

⒊その他の想定顧客について

これも前述した通り、音楽愛好家や昼寝好き、葛巻ファンや田舎暮らしに憧憬を抱く人々をはじめ、開業後には現時点での本事業主には想像もつかないような来客があるであろう。

前述との重複となるが、想定の内外を問わずあらゆる顧客ニーズに対して常に前向きに検討することは本事業の基本姿勢のひとつである。

また私人としては、本事業がなかなかに珍奇な商売である自覚はあるが故、珍妙な客の来訪もたまにはあろうと当然に想定しており、それがむしろ私人としてのひとつの楽しみでもあると考えるものである。

⒋葛巻町在住者

先にも軽く触れたが、葛巻町民の来店はもちろん大歓迎である。

まるで町民の休憩所であるかの様に気軽にブラリと立ち寄っていただき、茶話にでも花を咲かせながら寛ぎ親しんでもらえたら、と願うものである。

営業面については前述と同様に詳細は別項『How much(いくらで)』にて後述するが、商売である以上ケジメとして建前程度の代金は頂戴するが、それを以て金銭的利潤を追及するつもりは毛頭無い。

しかしながら、本事業が上記の営業方針によって葛巻町民から受益するつもりが無いのか?と問われたならば、全く以てそうでは無い。

むしろ、顧客や共業者の紹介など新規顧客開拓に繋がる情報提供や、顧客満足度の向上につながる人脈などの紹介、さらには葛巻について熟知している町民ならではのアイディアの提供などなど、即金的な利潤とはまた違った角度からの大きな大きな受益を期待するものである。

加えて、私人としては野菜など生活物資の現物なども、物々交換的に頂戴できれば大助かりである。

Who(だれが?):りん小屋店主、”点”について

『Whom(だれに?)』と来たならば、『Who(だれが?)』についても開示するのがスジというものであろう。

私人としては自分語りはあまり趣味ではないのだが、来歴をつまびらかにすることが本事業計画への理解を深めていただく一助となるのであれば、事業主としては是である。

趣を変えるべくページを改め、3ページに纏めた自己紹介を述べさせていただく事とする

 

 

 

 

【店主自己紹介】

ここまで本書類をご覧いただき誠に有難うございます。
本事業主改め、『りん小屋店主 ”点”』と申します。

りん小屋は屋号、読んで字のごとく”おりんの小屋”であり、”点”とは雅号、当世風に言うならば芸名のようなものであり、手前が ”かく在りたい” と願う姿を己への戒めとして託した作り名にございます。

本名は津沢 崇(ツザワ タカシ)と申しますが、お気軽に‹りん小屋›とか‹点›とか‹点くん・点さん・点坊・点ちゃん›などと、思い思いにお声がけいただけましたら大変嬉しゅうございます。

生まれは昭和53年3月26日秋田県秋田市土崎港。

現りん小屋所在地にて生を享けた父が秋田へと渡り、そこで母と結ばれて産まれた3人兄弟の末っ子次男坊でございます。

両親や祖父母に恵まれたおかげにて幼少期はいささかボンヤリと過ごしておりましたが、そんな手前にも人並みに最初の転機が中学一年の時に訪れました。

”音楽”との出会い、です。

近所の公立中学へと進学しなんとなく入部した吹奏楽部のトロンボーンパートへと参加し、入部してから暫くはここでもやはりボンヤリと過ごしておりましたが、その秋に未だ忘れ得ぬ強烈な音楽体験を得ることとなりました。

上下関係が比較的厳しめであった吹奏楽部。1年生が実際に楽器を使用した練習を始められるのは、3年生の先輩方が引退した後の秋口からでした。

しかしながら、実際に楽器を使えるようになってからも単調な反復練習の繰り返しばかりであり、もしも練習中に勝手な事をしたならば2年生の先輩方からの大ヒンシュクを買ってしまうことは火を見るよりも明らか、という状況です。

そんなある日、たまたま2年生の先輩方がすべて出払っており、1年生だけで個人練習をする日があり、手前ひとりぼっちで教室を占有しつついつもの反復練習をボンヤリとこなしていた時のことでした。

「ビブラートかけてみちゃおっかな。」

ほんの出来心でしたが、実際にビブラートをかけてみちゃった瞬間、なんとまるで脳天から尾骶骨までを雷撃で撃ち抜かれたかの様な鮮烈な衝撃を感じてしまい、直後しばらくは腰が抜け床にへたり込んでしまう程のとてつもない快楽を得てしまったのです。

この瞬間以降、手前の人生はそのすべてを音楽に捧げるものとなりました。

”音キチ”の一丁上がりでございます。

その後は中学・高校と勉学なんぞあったものではなく音楽音楽。高校卒業を待たずして家出同然に上京し、そこでもやはり音楽音楽。

二十歳を過ぎたころからちらほらと仕事が得られるようになり、三十路のころには若手職業軽音楽屋としては比較的そこそこ・まあまあなキャリアを築いておりました。

しかしながら三十路を過ぎた頃から、仕事として奏でる手前の音に疑問やジレンマを感じるようになり、悶々汲々としていたある日、人生二度目の転機が訪れました。

東日本大震災です。

岩手にお住いの方々に対して手前ごときが軽々しくこの話題を用いるべきではないと切に感じておりますが、当時東京都に暮らしていた手前にとっても、これはやはり大きな衝撃でした。

それというのも、『電気がなければ音楽家たり得ない』自分に痛いほど気づかされてしまったからです。

当時の手前は、演奏家としてはエレキベース奏者として、また編曲家・録音監督として電力まみれのレコーディングスタジオに日夜籠って業務をおこなうといった音楽屋でした。

そして実に恥ずかしながら、このことに矮小な自尊心を感じている自分もおりました。

その全て、当時の手前がえっちらおっちら積み上げてきたアイデンティティすべてがガラガラと脆くも崩れ去ったものでした。

残された業務の全てを終わらせた後、職業軽音楽屋としての活動をまったくご破算とし、単なる音キチとしての己に再び立ち返り、この先の人生は”音楽道修行”であると明確に覚悟を固め、修行の旅と称して放浪生活へと身を投じることとなりました。

河原でラッパを吹き、海で太鼓を叩き、山で唄い、自然が奏でる重層的な音楽との和合を求めてひたすら音楽音楽。

ところで文明とは有難いもので、音楽屋として自営業のいろはをある程度習得しておりましたものですから、小さなノートパソコンと電波さえあれば小商いにて修行期間の糊口をしのぐ程度には生計を維持することができました。

そんなこんなで四十路を過ぎた2021年10月、人生三度目の転機が訪れました。

父親の死です。

親の死自体はおよそ誰にでも訪れることなので、ここでことさらに語るつもりは毛ほどもございません。

転機と申したのは、葬儀の為に嫁ぎ先から駆け付けた姉や手前に加えて母親と共に、通夜振る舞いの酒を嘗めつつ、父親の仏前に据えられた”おりん”で遊んでみた時のことでございます。

以前からチベットのシンギングボウルに興味を抱いておりました手前が、やはりほんの出来心で仏前のおりんにその奏法を試みてみたところ、なんとも妙なる音色でおりんが唄いだしてくれたのです。

その調べに瞬間またしても撃ち抜かれてしまい、探し求めていたものは「これだ!!」と確信し、人生三度目の転機に価する体験となりました。

その後のわが実家は昼は葬式準備、夜になれば姉や母親と酌み交わしながら『おりんっこ倶楽部』と称しておりん修行を楽しむ始末。

挙句になんと曹洞宗の僧侶である叔母までもが『おりんっこ倶楽部』の一員としてご参加召されてしまい、母子親類そろって夜な夜なおりんを唄わせまくる。そんな珍奇で笑いに満ちた葬儀前後の出来事と相成りました。

そんな折の日中、葛巻出身のわが父親の弟であり、祖母の死後ながらく空き家となっていた葛巻の物件の現所有者である手前の叔父が、葬儀のために岩手県滝沢市からわが実家に訪れてくださった際に手前にこう言いました。

「おめぇ葛巻さ住めって。」

山に籠ってひたすらおりんに没頭したい、とその時心底から願っていた手前にとっては、まさしく”渡りに船”のオファーでございます。

というわけで、父親の初七日やら片付けやらがひと段落ついてすぐさまに、叔父を頼って空き家となっていた葛巻の父親の生家である”りん小屋”予定物件へと転がり込み、叔母より複数頂戴したおりんを日夜叩いて擦って腕を磨きつつ、「ここに暮らすのであれば根ざした商売を!」と一念発起して本事業計画書を書いたりしつつ今に至る、といった具合にてございます。

これまで沢山の人にご迷惑をおかけして参りました。

中にはどれだけ詫びても詫びきれぬ様なあれやこれやらもございます。

また、今後誰にも迷惑をかけずに生きるなどとは口が裂けてもお約束できませんが、

しかしながら、今後も確かに生きなければなりません。

 

駆け足にて恐縮ですが、これが手前のこれまでの半生であり、これを以て自己紹介とさせていただきたく存じ上げます。

 

ご拝読いただき誠に有難う御座いました。

令和3年10月25日
りん小屋 店主 点

 

 

 

 

Why(なぜ?):なぜ、この事業をやるのか?

「なぜ、やるのか?」とは、即ち行為に向かう動機である。

では、動機とは何か?

本事業主は、これを”夢”と解釈する。

加えて、おそらく浮世におけるあらゆる夢の源泉は、そのほとんどが一個人の私的願望に端を発するものであろう。

本項は、本事業主がこの事業計画に託す”夢”について、またその源泉となった私人としての願望について、一回こっきりにて大いに語らせていただくものである。

⒈ 夢

この浮世において、ヒトを人間たらしめている礎とは文明・文化であろう。

そして文明・文化とは、「より豊かになりたい」「より快適に生活したい」などといった、人間の願望から生じた”夢”の集積であると言えよう。

であるからこそ、人間は夢について大いに語らうべきであると考える。

時にはそれが悪夢であるかの様な、ひどく悲劇的な、まるで夢の果てが如き事象が眼前にあらわになる事もあろうが、そのようなことは俯瞰的に見ると断じて果てなどでは無く、つまり全くの些事に過ぎない。

今生単位から一旦離れて事象について眺めてみると、浮世におけるあらゆる事象とは、社会が可能性の拡張を期して夢から伸ばした無数の枝葉であり、時代に必要とされなかった枝は枯れ落ちたり剪定されたりと自浄的に淘汰される。

そして、淘汰され地に落ち朽ちた枝葉を”失敗”と見なすのであれば、その失敗すらをも栄養として吸収し育まれた大樹こそが人間文化であり人類史であると言えよう。

もしこの大樹の幹そのものが、まさしく悪夢であったとしても、天体単位で鳥瞰したなら単なる淘汰のひとつに過ぎず、地上に再三繰り返された上記と同種の事象に過ぎない。

では反対に、夢について一切語ることを止めてしまった人類はどうなるのであろうか?

文化の歩みは止まるどころか維持することすら徐々に困難となり、ヒトを人間たらしめている基盤は加速度的に失われ、人間はやがてヒトへと還りゆくだろう。

それもまた一興ではあるが、当世に人として生を享けた以上、浮世に在る人間として然るべき勤めを果たすべく生きるよりほかない。

夢を語る。

『今日よりも毎日ちょっとづつ、優しく和やかな世界を望みたい』

これが私の大きな夢である。

そして、この夢の実現に向けた小さな行為行動の積み重ねを本事業に託すのだ。

前述のとおり、当世は『こころの疲れ』に苦しむ人が後を絶たない時局にあると目している。

心が苛まれているような状態では、人は他者に対して寛容にはなりづらい。

『こころの疲れ』から生じてしまった不意の悪意を、他者に対して誤って投げつけてしまうような事もままあろう。

このことがまた新たな『こころの疲れ』の再生産につながってしまい、これがねずみ算式に増殖し社会に不寛容が充満してゆく。

この構図こそが、現代において少なからず感じられる不寛容な社会的ムードの一因ではなかろうか?と本事業主は推察するものである。

では、私としてはそこに一石を投じたい。

『疲れ』の慰撫へと使役することで不寛容の再生産に一石を投じ、顧客を介して社会に寛容を増すための微々たる一助となりたい。

私人であればちっぽけな小石だが、事業を通じて広く共業の輪を募れば漬物石くらいは投げられるかもしれない。

私が今生を終えたとき、なおこの輪が誰かによって紡がれ続けていたならば、ひょっとして巨大な岩石をもブン投げられるように成り得る可能性が残ることと成る。

はたまた小石を雨霰と降り注ぐことが出来るようになるかもしれない。

いずれにせよ、これらが仮に実現したとしたら、今日よりもちょっとは優しい未来になるように思われる。

これが私の大きな夢であり、夢の実現を目標として本事業を興すものである。

⒉ 願望

夢というものは得てして抽象的に成りがちであり、事業計画を示すうえでは夢物語だけでは寸足らずとなろう。

ここでは本事業に託する私人としての願望を述べることで、上述の夢をより具体的な事業計画へと落とし込むことを試みる。

『山中に入りておりんに没頭したい』というごく私的かつ揺るがぬ初期衝動を前提として、本項で開示すべき本事業計画に反映させる個人的な願望は、主として以下の3点に集約される。

  • 顧客サービスを通じて社会に癒しと安息を提供したい。
  • 自己のスキルを活用して社会に還元したい。
  • 先祖代々の大切な地であり大好きな葛巻の一員として生活したい。

以下に、上記についての詳細を記述する。

・顧客サービスを通じて社会に癒しと安息を提供したい。

この願望については、前述の”夢”の項にて大いに語らせていただいたところである。

補足として、話し言葉で簡潔にわかりやすく述べるのであれば、

「ストレスでお悩みのお客さんに、おりんの音とともにリラックスとリフレッシュを提供する。そうして少しでも元気になってもらって、日々を明るく和やかに過ごしてほしい。」

「明るく和やかに生活する人の笑顔が伝染してその輪が拡がり、その分だけ社会も明るく和やかになればいいな、と願う。」

という事となり、つまりこの項目は事業を通じて己の”夢”の実現を図るための具体的な行動計画部分に該当する。

・自己のスキルを活用して社会に還元したい。

少年音キチとして約10年、職業音楽屋として約10年、音楽求道者として約10年。

自己の半生のすべてを投じて身につけた技術や知見を通じて誰かのお役に立てるのならば、私人としてこれほど喜ばしいことはない。

まさしく『音キチ冥利に尽きる』といった具合である。

ちなみに、「誰かの役に立つとキモチイイ!」といった類の愉悦は、概ねヒトに生来プログラムされた反射反応であろうと私人として目している。人とは生来”善”であると信じたい。

このごく私的な愉悦・快楽を満たすための願望が本項であり、この欲求を満たすための行為が延いては他者や社会の福利に繋がるのであれば、それは悪い事では無いのであろう。

そしてそれこそが、このプログラムに込められた”意図”なのであろうと目する。

つまり「誰かのためは、自分のためなのだ。」という事となり、その反対もまた然りである。

余談だが”悪”においてもまた同様であろう。要は両者に対する考察・理解・判断・覚悟・選択というプロセスが肝要なのだ。

本項はあくまでもこの考えに基づくものであり、自己の特技を活かして他者への使役に勤しむことで、自分自身の幸福を追及したいという、ごく私的な願いに端を発するものなのである。

・先祖代々の大切な地であり大好きな葛巻の一員として生活したい。

さて葛巻である。

本項に求める願望はとりわけ私的な感情と都合が大部分となる。

まず大前提として、葛巻が大好きなのである。

それは私人である私のみに限らず、我が兄弟・母親・親類など、一族郎党総出で大好きなのである。

前述の父親の葬儀準備の際に精進振る舞いの酒を嘗めながら、久しぶりに集合した兄弟や母親と『葛巻の楽しいお盆の思い出』について大いに語らっていたところ、姉の良人である義兄がこう言った。

「みんな本ッ当~にクズマキのこと楽しそうに話すッスナ!」

そうなのである。

幼き頃には毎年お盆に家族全員で葛巻を訪ねており、親戚みんなで大いに遊び、戸外でジンギスカンを食べたり、池のカエルを捕まえたり、山の斜面を転げ落ちたり、肥溜めに落ちたり、牛糞を踏んづけたり、馬淵川で溺れかけたり、田野小グラウンドでデッドボールに悶えたり等々…

義兄の何気ない一言によって、家族全員が大人となりそれぞれ全く異なる暮らしにあっても、葛巻の思い出は家族全員がいつでも幸福に共有できる、大切な依り代となっていた事に気づかされたのである。

その後、前述した現物件所有者である叔父に詳しく話を伺ったところ、空き家となって久しく管理していたが、年齢もあり維持が困難となってきたため、空き家バンクに登録し希望者があれば手放すつもりであるとの事であった。(なお現在は、既に空き家バンクへの登録を取り下げとしている)

空き家となっているよりならば新しく誰かが住むべきであるが、この事は葛巻の実家との縁が完全に途絶えてしまうことであり、私的には大変寂しい事である。

また、このことを知って家族も同様に残念を感じていた。

そこで前述の、叔父からのオファーである。

軽々しく即答などは到底出来ないが、前述のとおり私的には大いに魅力的なオファーであった。

このオファーに従い、移住後の生活維持の可能性などを含めた”移住検討のための下見”として、およそ25年振りに葛巻を訪ねた訳であるが、2021年10月26日現在では下見どころかこの事業計画書を書くに至っている。

これはまさしく運命である。と本事業主は確信する。

ちなみに、修行期間のおよそ半分は中山間地域かつ限界集落内で生活していたため、気候条件などの違いはあろうが、山中での暮らし自体は本事業主はまったく苦にならない。

むしろ、筋金入りの音キチとして”常在山ごもり”は望むところである。

さて、葛巻に対する私的な想いが募り過ぎすっかり長文となってしまったので、このあたりで『他ならぬ葛巻で本事業を営みたい』と願う私的願望部分について述べる。

先ず第一に本事業計画そのものが、叔父からのオファーをきっかけに葛巻での生活をイメージした際に、泉のようにポコポコと湧き出でてきたアイディアだからである。

つまり本計画は葛巻での生活を大前提としており、葛巻以外での遂行は成立し得ない。

また、下見と称して葛巻に転がり込んで現時点で10日目となるが、この短期間においても葛巻であるからこその本事業の可能性を確信として日に日に深めている。

『葛巻でなら、出来る!』といったところである。

葛巻でならば、前述したごく私的な夢や願望の成就へ向けて邁進できると大いに確信するものであり、この事は私的な幸福追求と直結している。

次に私的な”都合”の部分である。前述したとおり本物件や葛巻との縁が途絶えてしまうことは私的に極めて残念である。

しかしながら本事業主が同地へと移り住み、商いを通じて生計を維持し続けることで、私のみならず兄弟・母親・親類など、一族郎党が同地との縁を維持し続けることが可能となる訳である。

なんならば、同地を店舗とすることで一族郎党が今よりもっと気兼ねなく、大切なこの地へと気軽に遊びに来ることが出来るようになるであろう事も、同地で商いたいと願う私的願望のひとつなのである。加えてごく私的には同地の墓守となれる事も有難い。

さらに言わずもがなではあるが、この美しい店舗用地を、我が一族だけのものとして占有するのはいささか心苦しくも感じる、という私的感情も吐露しつつ話題を次へと進める。

最後に、葛巻町の生活や経済に永続的に参画したいという私的願望である。

まず大前提として「葛巻町が大好きだから」という私的感情がベースとなっている事は前述したとおりだが、この願望には葛巻町で生活するにあたっての”自己防衛”的な側面も含まれている。

自分が住まい商売を営む場所は、元気な町であってほしい。

これは一生活者として当然の願望であろう。

では果たして、四十路を過ぎたオッサンである私が、鼻クソほじってボンヤリしながら他力本願にて居住地域の経済活性化をただ待っていれば良いのであろうか?

無論ダメである。

前述で挙げた自己の技術を労働力として活用し地域経済へと参画すると同時に、一町民として日常的な地域の消費活動にも参画する。

これらの生活活動を介して地域経済の循環に一員として参加しつつ、あわよくば事業を通じて町外貨を地域へと誘導することで地域経済活性化の一助となるべく微力であろうが努める。

上記の行動を通じて、もし葛巻町の経済状況が今日より僅かばかりでも向上したならば、葛巻町における私的な生活の永続性も歩みを同じくするであろう。

上記が葛巻町における私生活の永続性を視野に入れた自己防衛活動であり、このことは「大好きな葛巻町でず~っと安心して暮らしたい!」という私的願望の実現に向けた当然の行動なのである。

以上、『Why(なぜ?)』というテーマに従い、本事業および私人としての夢や願望について大いに語らせていただいた事を深く陳謝しつつ、本項の結びとする。

When(いつ?):どのようなタイミングで行うか?

ようやく”W”の最後である。

我ながらよくもまあ長々と書いたものだと唖然としているが、お読みいただいている方はこの長文に当方よりももっと辟易としていることであろう。

本項あたりはさっさと駆け足で済ませて、一刻も早く”H”について語りたいものである。

さて、どのようなタイミングで行うか?と来た。曖昧極まりない見出しである。

実はこれらのサブタイトルは、6H2Wのテンプレートから丸々コピーしているだけである。

上記のテンプレートには「事業の特徴となるノウハウ獲得には、「人」と「金」をどのようなタイミングで投入するのかが重要となるからです。」と説明されているが、そもそも個人商店である本事業の都合のみで諸般の計画が動くはずもなく、現時点で時節を机上から捻りだしても単なる絵空事であり徒労となろう。

という訳で、本項では葛巻での物理的な創業活動の始点となる、事業主の葛巻町への移住のタイミングおよび、それまでの期間の準備活動予定について簡潔に述べる。

⒈ 葛巻町への移住のタイミング

これについては2022年春を予定している。その理由は以下の2点である。

・雪国の山間での生活を、冬にスタートするのは無謀である。

・事業主の現在の生活および、実家および現住居の整理整頓。

前者については解説の必要すら無かろう。無謀の一言に尽きる。

後者についてもごく私的な部分であり、事業計画書において説明する必要も無かろう。

強いて言うならば、慌てて引っ越しをしたってロクな事はない、という事である。

という事で、話題を次へと進める。

⒉ 事業における移住前の準備活動予定

とはいえ、山の雪解け時期を移住開始時期と仮定したとしても、現時点から半年近くも時間がある。雪が解けるのをボンヤリ待っていては効率的とは言い難い。

現在は秋田県に在住しているため、諸般の手続き等で葛巻町と往復することはあろうが、この準備期間における最大の攻略目標は、ズバリ開業資金となる”カネ”集めである。

まず前提として、金融機関や国庫などからの”融資”は除外する。

開業後の役務の一部が”返済”の為の使役となってしまうからであり、そうなっては事業そのものの純粋性が一部欠損してしまう恐れがあるからである。

なお、有難いことに本事業においては、開業後の運営についてはほとんどコストを必要としない。

詳細は別項『How much(いくらで?)』にて後述するが、基本的には店主がおりんを鳴らすのみであり、そこには一銭も持出金はかからない。

つまり必要なのは、開業資金のみである。

このカネについては、潤沢にあればあるほどその後のスタートダッシュが楽になる。

従って、返済の必要が無い資金に関しては、積極的に獲得を目指すものである。

ちなみに、本事業計画書もこの目的のために作成しているものであり、汎用的に後々まで使用できる”叩き台”として本書類を最初に丁寧に作っておくことで、その後の補助金・助成金申請時やクラウドファウンディング挑戦などの際に、それぞれの書式に落とし込むだけの作業で済むようになる事を目的として作成している。

さて、上記に『補助金・助成金』と『クラウドファウンディング(以下CF)』という2つの具体的な金策プランが登場した。

このうち『補助金・助成金』については本事業計画書を完成させた後に、然るべき窓口へとこれを持ち込み手取り足取りレクチャーしてもらう腹積もりである。

上記の行動は、補助金についての勉強をサボりたいからなどといった短絡的な理由では断じて無く、持ち込み相談の機会そのものが葛巻町職員や商工会などとの関係性を構築するための好機と捉えているからに他ならない。

という訳で、自動的にCFこそが準備期間において重点的に攻略すべき対象となるであろうが、CFとはその性質上”水物”であり、具体的な獲得金額などは事前に判別しようも無い。

利用を予定しているCFサービスでは、有難いことに各案件に担当者が着くとの事なので、これもまた実際の行動に際しては本事業計画書の完成の後に、本書類を持参して担当窓口の門を叩くこととなる。

上記を総ずると、春までに用意できる開業資金の金額については現時点では判別しようもなく、結局は集めることができた資金の中からやり繰りしての開業となるであろうと目している。

また、春までの空いた時間に試験的に共業者を募り、実際に共業をおこなえば幾何かの利益は得られよう。多少であってもカネはカネである。開業資金の足しにしたい。

ちなみにこれは私信となるが、CFサービスを介して広く世間様から開業資金を募る意図の一端には、同地へと少なからぬ想いを寄せている我が一族親類縁者全員に対しても正々堂々公然とカネを無心しよう、という目論見も含まれている。

関係各位にはその覚悟をもってこの先もお読み進め願いたい。

開業時の必要予算とその使途予定については別紙にて解説する事として、本項の結びとする。

How(どうやって?):どんな特徴で、どんなノウハウを使う?

さて、いよいよ”H”についての話である。

この手の話題は多くの人にとっての関心事であると思われるため、ここまですっかり長文となってしまったがどうか最後までお付き合い願いたい。

ところで、丸々コピーした見出しには『どんな特徴で、どんなノウハウを使う?』とあり、その説明欄には「商品やサービスを提供する市場・顧客には、競合(他社・店)がいるので、競合優位性や独自性を築かなければいけません。」とあったが、本事業において現時点で競合相手の存在が確認されなかったことは前述したとおりである。

また、事業の特徴やそのノウハウについての説明も、ここまでで粗方済んでいるように思える。

従って本項では、ここまでで紹介した営業内容とその戦略についてより掘り下げつつ、一旦おさらいとして整理しまとめて開示することとする。

【本事業における営業内容まとめ】

・本事業のサービス内容

まず本事業のサービス内容は、『おりんの調べを用いた音波浴リラクゼーション』であり、これを心身の”癒し”を求める顧客へと提供することである。

『おりんの調べ』とは日本の伝統仏具である”おりん”を楽器として捉えたうえで、これに一般的に用いられる”打”の奏法と、おりんの兄弟分とも言えるチベット伝統法具『シンギングボウル』に用いられている”摩”の奏法をブレンドすることで織り成される音声情報を指すものである。

この”音波”を五感で体感することを指して『おりんの調べを用いた音波浴』と定義し、それに伴うリラクゼーション体験までをサービスとして包括し、これを求める顧客に対して対価を介し提供する。

なお、おりんの実演に際してはおよそ座布団2枚分程度のスペースが必要となり、その一枚には奏者が座り、もう一枚分にはおりんが設置される。加えて、電源等の外部設備は必要としない。

以上が、本事業におけるサービス内容の概要である。

ちなみにここで新たに補足を付け足すが、本事業体は”おりん”と直接的に関連するもののみを商材とし、これ以外の事業による営利の追及は営業活動から除外する。

一例として、※対価を介しての飲食物の提供や※寝具を貸し出しての宿泊、さらには※駅↔店舗間の送迎などといった本店舗営業時に不随が予測されるようなサービスには断じて関与しない。

むしろこれらを葛巻町に既存の事業者へと委ねることによって、同町にある各業種の事業者との連携を図り共栄を目指すことこそが本事業の本質的な性格である。

※おもてなしとしてのお茶や軽食はお出しするがこれは純粋な無償サービスであり、町で夕食を楽しんでいただけるよう夕方にはしっかり腹ペコとなるボリュームに限定する。

尚、葛巻町内にて調達し持参された弁当についてはこれを例外とする。

※仮に「りん小屋で店主と酌み交わしたい」と所望する珍客が現れ、店主もやぶさかでない場合には、テントでも持参してもらうか店主の居住空間である小屋での雑魚寝に限定する。

※公共交通での来店客に対しては、バス停【触沢】および店舗林道下までの軽い送迎を店主が当然無償にて行うものとする。

・営業エリアおよびその戦略概要

1⃣拠点店舗における営業

これは前述のとおり、葛巻町に所在する拠点店舗敷地内におけるサービス提供を指す。

最大14畳の和室スペースでのサービス提供が基本となるが、天候に応じて敷地内の屋外での提供も喜ばれるであろう。

具体的なサービス内容について解説すると、常に客室を清潔に保ち、居心地の良い空間でおりんの音に安らいでいただき、顧客にそれぞれ思い思いのスタイルでリフレッシュしていただく。そしてこの一連のサービスに対する対価を頂戴する。

また、別途有償のコースを設けて体験レッスンの様なメニューも用意する。

この際に、体験レッスン客が希望する場合にはおりんをお選びいただき販売することも可能となり、また一点キャッシュポイントが加わることとなる。

その他、敷地内からの調達物で制作できる苔玉や押し花など、極めて簡易なおみやげ品などは販売するかもしれないが、これは利潤を追求するものではなくあくまでも趣味・洒落といった性質に留めるものでありつつ、これが存外と当店や葛巻を思い出すきっかけとなりリピート来訪へと繋がるのでは?と、ほんのり期待する。

またこうしたおみやげ品については、葛巻町内のハンドメイド作家や既に商品を製造している事業者などとのタイアップも面白かろう。

ちなみに店舗物件には上記和室に加えて別途日当たりのよい8畳の和室があり、ここをショールームとしてまったり茶でも飲みながら、おりんやおみやげ品を選んでいただくのも楽しかろうと空想する。

物販に関する具体的な仕入れ先や金額等は別項『How much?(いくらで?)』にて後述するが、おりんはその性質上骨董品として流通している場合が多く、販売に際しては古物商の免許を取得した後に着手することとする。

【キャッシュポイントについて】

商いにおけるキャッシュポイントの重要性については説明の必要もなかろう。

以下に、店舗内営業におけるキャッシュポイントをまとめて記す。

  • おりん実演を伴う一連のリラクゼーションサービス代金
  • おりん体験レッスンに対する謝礼金
  • おりんやお土産品などの物販売上

 

【集客方法について】

これも前述にておおよそ述べたので、まとめとしての記載および補足に留める。

・共業によって獲得する共業者およびその顧客

PRを主目的として積極的に他事業者との共業を図る旨についてはこれまで再三述べてきたが、これによって獲得した顧客は本店舗へと誘導される。

また、共業関係が構築された他事業者との共催イベントを本店舗にて催すことも、顧客獲得において有利に働くであろう。

さらに、ターゲットする市場を考慮すると顧客層は20~30代の女性が多くなる事が予測され、インスタグラムやツイッター、youtube等といった巨大SNSのユーザーであることが大いに予測される。

これを利用しない手はない。

何せ当店は、当世風に言うと極めて”映え”るのである。

こうした顧客層を想定しSNS割引などを用意して投稿を誘導した場合、時として爆発的な広告効果を発揮する現代版口コミ”SNS”のメリットを全くのゼロコストにて享受できる。

・有償広告出稿

上記のようなSNSの口コミ効果に即時的な広告効果を期待するのは得策ではない。ある程度投稿が集積された後ならばともかく、初期段階では俗に”バズ”と呼ばれる”まぐれ当たり”をただ待つのみだからである。

しかしながら、これが有償となると全く様相が変わる。ある程度意図的に”バズ”を生むことが可能となるのである。

SNS界隈において多くのフォロワーを有し、投稿そのものに大きな影響力を有するユーザーが『インフルエンサー』と呼ばれている事は、SNSの利用者においては周知であろう。

まず端的に言うと、このインフルエンサーは買えるのである。

つまりこちらが謝礼を支払うことによって、多くのフォロワーに閲覧される”バズる”投稿を純然としたビジネスとして依頼できるのである。

その際、当方から提示できる予算規模に応じてピンからキリまでの価格帯のインフルエンサーが存在している点や、新聞などに無闇に出稿される有象無象の広告とは異なり『ヨガ』『リラクゼーション』などしっかりとターゲットを絞って効果的に広告できる点も大きなメリットとなる。

また、インフルエンサーと言えばご存じyoutuberも忘れてはならない。

前述のような広告戦略と並行して、一定のファンを現有するyoutuberに当店の店舗CM制作をオファーする予定である。

※これは前述の岩手県内都市部を最優先攻略地域に設定したことを踏まえて、岩手県在住者である俗称『岩手系ユーチューバー』へと依頼する。尚、候補者は既に選定済みである。

これによって、素人である店主自ら手弁当にて作成する映像とは比較にならないほどに品質が担保された店舗CMを入手できると同時に、同youtuberのチャンネル内にて制作舞台裏などを公開してもらうことも可能となり、まさしく一挙両得・一石二鳥の広告作戦と成すことが可能となる。餅は餅屋に限る。

・ITインフラ内における集客戦略

直前で挙げたSNSのくだりもITインフラ内おける集客戦略であるが、これに加えて前述のリスティング広告やアフィリエイト広告をはじめ、ITインフラ内に存在するありとあらゆる広告形態は、そのコストパフォーマンスを前提とした上で検討される。

尚、コストパフォーマンスについてはGoogleアナリティクスや各広告のサービスホストが提供する分析ツールを用いることで比較的容易に明らかにすることができ、これを用いて逐次最適化を図ることが可能となる。

・葛巻町関係者を介しての集客

葛巻町が有する人的・公的資源を介した集客にも大いに期待する。

一例として、町外共業者が有する店舗等の施設には許可を得たうえで当店のショップカード等の紙広告を設置させてもらう予定だが、町内まちなかで営業されている店舗やグリーンテージ・プラトーといった公共施設など、同町内において広告設置にご協力いただける事業所があれば大感謝を以て設置を依頼する。

また、紙・webなど媒体を問わず観光案内などへの広告出稿についても、媒体権利者ならびに本事業責任者の双方合意という前提において同様である。

他にも、内容の詳細についてはまもなく後述するが、町内事業者との共催企画などを介して葛巻ファン人口の増加とともに本事業の認知も向上すれば最良と考える。

その他の集客方法について

また、積極的な集客を図るわけではないが、ブラリと立ち寄る客や好奇心にて覗きに来る客の来訪も私人としては楽しみである。

店舗へと続く林道の入口は風光明媚な県道15号線にあり、これはドライブ客やツーリング客などにも親しまれる路線であろう。

上記の潜在客層を誘引する意味でも、林道の入口に当店の看板を品よく配置したいと考えている。

その際に許可を得るべき設置場所の地権者は現状不明ではあるが、開店までには容易に調べがつこう。

余談となるが、林道の入口に面した住宅の住人と当方は既に閑談仲間である。

【営業時間について】

営業時間については現時点で13時から18時までと想定している。

これはひとえに、前述した丸の内OLマチコの様な遠隔地からの日帰り客を想定した上で、ランチタイムおよびディナータイムは町内飲食店にて過ごせるよう設定している。

なお午前中は、リラクゼーション店舗営業において極めて重要な役務となる清掃をはじめ、ITインフラ内で販売されるコンテンツ制作、さらにはメール対応やスケジュール・帳簿管理といった庶務に充てられる。

休日については未定であるが、出張時以外は基本的に店舗営業日となる。

なお、営業スケジュールについてはweb上のカレンダーサービスや店舗看板への掲示などを活用し可能な限りの可視化を図り、顧客に無駄足を踏ませてしまわないよう努めて配慮する。

2⃣出張営業

本事業において、店舗敷地外での実演はすべからく出張営業にあたる。

岩手県内の都市部に始まる遠隔地への出張については前項で解説したので概要のまとめに留めつつ、ここでは葛巻町内における営業企画案などについて重点的に解説する。

【遠隔地における出張実演概要】

  • 遠隔地での出張実演は営利活動であると同時に、本事業ならびに葛巻町のPR活動である事を大前提とする。
  • すべての出張実演は営利の保守を目的に、黒字が担保された上で執行される。
  • 事業の初期安定期を迎えるまでは、PRを経た店舗への誘導を想定し、公共交通による日帰り往復が可能な物理的範囲を稼働エリアとして設定する。
  • 上記に基づく稼働エリアは岩手県内都市部にスタートし、仙台市を経て東北新幹線東京駅を中心とする首都圏へと至る。その後は同地を終点とする東北新幹線停車駅に在する都市部や岩手県の隣県へとくまなく拡大する。
  • 日本国外からの実演オファーに際しては、インバウンドにおけるPR効率を精査しつつ、実施に当たっては複数ブッキングを組むなどの効率化を図った上で検討される。
  • いずれの出張実演も、新型感染症の状況などの移動リスクを充分に精査した上で検討される。

【葛巻町内における出張実演について】

前述のとおり、本事業では葛巻町内事業者との共業を通じた葛巻ファン人口ならびに本事業の認知の向上を是としている。

この前提に基づき、町内事業者が企画するイベント等においては、本事業が提供する『おりんを用いた音波浴』サービスが無理なくマッチングするような企画であった上で、その主催者および関係者が本事業の参加を希望して下さる場合には、本事業として積極的かつ極めて前向きに企画への参加を検討する。

なおこの場合においても、”売り上げ金・補助金・手当金” など関係者の利潤に直結する経済的側面を有する企画であった場合には、本事業も当然の権利として営利活動を前提とし然るべき営業利益を求めるものとする。

尚、学生イベントや地区集会などの営利が介入しない企画については、本事業も同様に営利を前提とせずに企画への参加を検討する。

加えて、町内事業者が企画するイベント等への積極的な参画のみに留まらず、本事業が主体性を持って町内共業者を募り催す企画の提案・実行にも積極的に取り組む所存である。

現時点で空想している企画の一例を挙げると、やはり同町内において寛ぎ憩えるスペースに出向いての出張実演であろう。

このような、本事業でもテーマとする”癒し”に満ちた居心地の良いスペースを所有する町内事業者は、おそらく多数あろうと推測する。

そして、同町内事業者との合意が得られた場合には、本事業は町内どこへでも嬉々として馳せ参ずる。なにせ当方の必要スペースは座布団二枚分である。

上記を踏まえてより具体的な企画案の一例を述べると、グリーンテージやプラトー等の町内宿泊施設に加えて町内外の共業者および本事業を加えた3者タイアップによる共同イベントなども、顧客に対して訴求力がある催しとなるのではないか?と空想する。

朝ヨガ』なるアクティビティが人気を博しているようだ。

都市生活者においては芝生公園やキャンプ施設など、喧騒を離れ自然な雰囲気が身近に感じられる環境で朝日を浴びながらの朝ヨガが好まれるとの事である。

私的に想像してみても、「そりゃ気持ちいいべナ。」と納得できる。

そして同時に、その地が葛巻であった場合には、尚更極上のアクティビティになるであろうと確信する。

ところで引用したサイトには「朝ヨガは朝食前の空腹の状態で行いましょう。」とあり、朝食前の早朝の時間帯での実施が推奨されている。

踏まえると、グリーンテージやプラトーなど『葛巻ならではの食事と自然環境』および『参加者が前泊できる宿泊設備および収容可能人数』を兼ね備えた宿泊施設が上記イベントの会場として浮かび上がってくる。悪天候時の代替設備があるのも大きな魅力だ。

ちなみに当方まだプラトーには行った事はないが、現在の店舗物件では風呂が使えないため、グリーンテージの日帰り入浴はこの2週間ほどでしばしば利用している。ポイントカードもそこそこ貯まってきた。

私的な話題となるが、グリーンテージが好きだ。

スーパーカブで同所へと向かい、サツ峠の絶景に抱かれながら時速30キロで登降している時などまったくもって爽快である。「天下我が物なり!」といった気分だ。

施設に入ればスタッフの方々は皆様朗らかで親しみやすく、スタンプカードを出す手にも元気がみなぎる。

館内はいつも心地よく清掃されており、清潔でムダが無い風呂もサイコーに最高だ。

レストラン”カウベル”にて焼肉丼を頂いた。質・量・価格ともに大満足にて大変お美味しゅうございました。

「さすが本場のベゴは美味ェな。」とひとりごちながら、ランチサービスのコーヒーをお供に解放的な窓からの眺望を楽しむ。

延長戦とばかりに別途のハンドドリップコーヒーを満喫した後、「やっぱ水が良いからどっちもあんなに美味ェんだべナ。」と足取りも軽く施設を後にする。

で、スーパーとりいで今夜の肴を買うべくまちなかへ向かって30キロで爆走しつつ、「季節が秋でも我が世にとっては春である」と、またひとりごちながら心身ともにスッキリサッパリの帰路を愉しむのである。

おそらくプラトーも甲乙つけがたく最高なのであろう。車で来た際には必ず行くつもりである。

閑話休題。

つまり本企画とは、サイコーな環境を有する葛巻の宿泊施設を利用して、ヨガ愛好家も喜ぶであろう”地産地消”の美味しいディナーを楽しんでもらい、風呂にゆっくり浸かってグッスリ宿泊していただき、葛巻のサイコーの空気の中で朝日を存分に浴びながら、本事業とヨガ講師との共業による『おりん+朝ヨガ』を満喫し、身体も動かし腹ペコになったところで”地産地消”の美味しい朝食をモリモリ食べていただこう、という目論見である。

まとめると、上記を包括した一泊二日の宿泊イベントを、共業三者がしっかりと利益を取れる価格にてヨガ市場に提案する。

『しっかりと利益が取れる価格設定』には、本企画においては一定以上の購買力を有する消費者にターゲットを定めて葛巻町へと誘導しようという意図も含まれる。

前述したヨガの市場規模に基づくと、こうした顧客層が定量的に存在していると見て良いだろう。この消費者に対して、『優雅な癒しの週末プラン』を提案するのである。

このとき集客に際しては、共業を通じて得られた各地のヨガスタジオとのコネクションが大いに活用できよう。バックマージンを提案すればよい。

さらに言うならば、施設チェックアウト後には付随する別イベントとして酪農体験・薪割り・炭づくり体験・ワイン工場見学などといった、葛巻ならではの企画を催し顧客をそちらへと分散・誘導するのも良い。

流行りのパワースポット巡りなども喜ばれよう。

パワースポット 葛巻』と検索するとそれらしき地点がちらほら見受けられるが、新たに創作するのもひとつの手となる。

その際の真偽については全く問題とならない。緑深く水清らかな葛巻まるごとが都市生活者にとっては絶好のパワースポットとなるであろう。

後は冒険性と安全性のバランスを両立するランドマークを選べばよい。顧客が喜びそうな面白エピソードのひとつもあれば尚更よい。

こうしたパワースポットをチェックポイントとするトレッキングコースを設定し、ガイドを伴う『パワースポット巡り』を催したならば、朝ヨガをきっかけに葛巻を訪れた顧客に対してより深く能動的に葛巻の魅力をアピール出来るのではなかろうか?

さらに地産の弁当でもつければ、大自然の中での美味しいランチに顧客は喜び、町内の該当業者にも利潤が及ぼう。

また、こうした散策コースは自然のみならず、まちなかでも可能である。本事業は「まちなかエリアビジョン」に大いに賛同する。

事実、当方も葛巻来訪以降しばしばまちなかをブラブラしており、私感ではあるが実に魅力的に感じる。モーレツに大好きなランチも見つけた。

それと同時にまちなか散策は、田舎暮らしに憧れているような顧客にとって、具体的な生活をイメージするうえで非常に有効であろう。

この事は当方がはじめてまちなかエリアを訪ねた時の感想だが、生活に必須となる諸般の施設がコンパクトに纏まっており実に暮らしやすそうだ、と感じたものである。

同様に感じる来訪者もいるのではなかろうか?

実際に葛巻に暮らす人間が、「スーパーとりいの半熟卵が入ったメンチカツがウマい!」などと、実情を交えてガイドを務めたならばそのイメージはより確かなものとなろう。

長文化してきたのでこのあたりで一旦まとめると、来訪のきっかけとなる『朝ヨガ』のような顧客が既知としているアクティビティのみに留めず、顧客それぞれが嗜好に応じて主体的に選択できるプランも連結して複数提案することによって、個々がより能動的に葛巻への関心を深められるよう誘導する。

このことがもたらす相乗効果によって、顧客満足度の向上が望めると同時に、都市圏の経済が町内のより広範囲にわたって波及されることが期待できる。

また、このスキームはヨガに限らず、葛巻の環境や本事業との親和性が高い業種であれば汎用的なビジネスパッケージとして流用できる。

宿泊を前提とするならば、おりんをBGMに『天体観測会』や『焚火ナイト』なども乙なものであろう。天候リスクが懸念されるが、屋内での魅力的な代替イベントが用意できればクリア出来よう。『おりん+キャンドルナイト+宮沢賢治朗読鑑賞会』など如何であろうか?

加えて、これら諸々のアイディアすべては、共有する根本的なテーマとして”癒し”を大いに内包している。つまり、一連のパッケージそのものが”癒し”を大目的としている。

断言しよう。癒しはカネになる。

癒し 市場』と検索してみると実に興味深い。

現時点での上記検索結果1位である以下の記事などは是非ご覧いただきたい。

新たな商機が期待される「抗疲労・癒しビジネス」の市場調査を実施「2020年には市場規模12兆円」

少々古い記事ではあるが出典元も確かであり、たとえ記事と現状の実数に乖離があろうとも、当店のような個人商店はおろか葛巻町のような人口規模の自治体にとっても大同小異と言える誤差であり、これは大いなるビジネスチャンスと目せるのではなかろうか?

踏まえて、前述した本事業からの持ち込み企画をモデルケースとして実施し、関係事業者と同町との共業にて経済的・広報的効果を検証し、そのうえで拡張性が望めるようならば、   ”癒し”そのものを自治体としての事業のひとつとするのも一手ではなかろうか?

パワースポットのくだりで述べたように、都市生活者から見た場合には、現状ですでに葛巻町全体を”癒しの空気”が包み込んでいるかのように映るであろう。つまりは同町の多くの商業においても、意識の有無を問わず”癒しの空気”を内在しているものと考えられる。

ちなみに、既に”癒し”を明確に意図している葛巻町森林組合の『癒しの部屋』などとは、本事業としては是非とも共業させていただきたいものである。

”癒し”を明確なテーマとする両者であれば、共業のマッチングもすこぶる良好であろう。

このように、”癒し”を明確なキーワードとして擁立した場合には、町内事業者が元来意識することすらなく有していた”癒しの空気”が、言葉によって明確に意識されることとなる。

そしてこの意識が鎹となれば、同町におけるあらゆる事業のシームレスな共業・共栄を促すために大いに役立つであろう。

こうなれば個々の事業者はもちろん、自治体の財政にも多少なりとも好影響を及ぼすことが期待できるのではなかろうか?私感ではあるが、その可能性は大いにあるように感じられる。

そしてこの一連の経済循環の末席に、本事業も参画させていただけたのならば、事業主としてこれ以上の喜びは無いと考えるものである。

さらに野暮な蛇足を加えるならば、上記でターゲットした顧客層の中には田舎暮らしに憧れているような女性も少なくなかろう。

そうした方々の中には、先に述べた体験イベントのガイド役となる、酪農や林業など葛巻ならではの実業に従事する男性の働く姿を目にして、実に頼もしく逞しく感じる方もいることであろうと推察する。

こうしたイベントでの出会いをきっかけに良縁へと発展しちゃったりするのでは?

などと空想し、二ヤリとほくそ笑むものである。

以上、本事業からの持ち込み企画案の一例紹介のつもりが、またまたすっかり長くなってしまった。

その他の企画案については開業後その都度提案することとして、話題を次へと進める。

3⃣ITインフラ内における営業戦略

ITインフラ内における戦略概要については、概ねこれまでで説明したとおりである。

従って本稿では、これを簡潔に整理しまとめつつ、現時点で検討している利用サービスなどについてもいくつか紹介する。

〈これまでの整理とまとめ〉

  • ITインフラ内において本事業が供給するコンテンツは、おりんの音声のみに特化した『音声情報』および、そこから副次的に得られる『実演動画』が主となる。
  • 『音声情報』の想定ユーザー層として、店舗施設などの事業所にて利用される『施設BGM利用者』および、私室におけるBGM使用をはじめ音楽愛好家や導眠を目的として利用する『私的利用者』の2種を主力として想定する。
  • まずは広告等を駆使して『施設BGM利用者』への利用を促し、これを起点として『潜在的私的利用者』となる同所への来訪客への認知・購買も促す。
  • 効率性を考慮しつつより動的な販促をおこない、上記を通じて購買に至った『私的利用者』までをも販促起点となるよう誘導する。

〈現時点で検討している利用サービス〉

1990年代末頃に端を発したとされる、いわゆる『IT革命』からはや20有余年。

2021年現在では、もはや星の数に匹敵するのでは?とすら思えるほどに、膨大な数のサービスが電脳空間に存在しており、このことはインターネットに触れた経験を有する方なら既にご存知であろう。

前提として自由市場であるネット内サービスにおいては日進月歩で研磨・洗練・淘汰が繰り返されており、これによって本事業のような零細個人商店においても”痒い所に手が届く”ように大変使いやすいサービスの恩恵を受けることが出来る。

ここでは、実際の利用を検討しているネット内サービスをいくつか紹介しつつ、該当サービスと本事業の親和性などにも目を向けて簡潔に述べる。

【音楽配信代行サービス】

「Apple Music・Spotify・AWA・LINE MUSIC・YoutTube Music Premium」などの音楽配信サービスが活況であることはご存知の方も多かろう。

上記サービスにて流通している音楽ファイルと同様に、『おりんの録音ファイル』も音声コンテンツであり、やはり上記サービスを介しての流通が有力である。

しかし、有象無象まで含めると無限といえるほどに存在する上記サービス群に、ひとつひとつチマチマと手作業でアップロードするのはいささか骨が折れる。

そこで登場するのが、いわゆる配信ディストリビューターとも呼ばれる本サービスである。

これを利用したときのメリットは大きく、前述のような主要音楽配信サービスには一括でアップロード出来る事となり、これによって煩雑な作業が一気に解消されることとなる。

また、音楽配信において懸念される自作楽曲の盗用などの、著作権の問題についても本サービスへの管理委託が可能となる。

懸念される利用コストは、メリットを考慮すると微々たる年会費および売上からの手数料分配が基本となり、ここまでではほぼリスクファクターとはならない。

また、利用を予定している同事業者に著作権管理を委託した場合には、1ファイル毎に4ドル程度の年間管理料が発生し、まったく売れずにファイル数ばかりが嵩んだ場合にはそこそこのコストとなってくるため、実際の依頼に際しては実売推移を見てからでも良いものと考える。

【オーダーメイド品について】

私的な利用者に対しては、よりパーソナルなオーダーメイドのようなコースを設ければさらに訴求も向上するものと考える。」と前述したが、オーダーメイド品の受注生産販売を可能とするITサービスも既に存在している。

国内においては『ココナラ』、英語圏においては『Fiver』などがその筆頭格と言えよう。

無論いずれのサービスも登録料などは必要とせず、実売に対しての仲介手数料のみがコストとなり、黒字が担保された運用となる。

さらに、この仲介手数料を差し引いた額で提供できる自前のECサービスを当店HPに設置しておけば、上記の仲介サービスサイトそのものが無償の広告となり店舗ならびに葛巻のPRへと繋がるものと目する。

上記2サービスの広告効果は侮れない。

事実、本事業主も過去に自作のヒーリングミュージックをいくつか出品していたが、一切広告をする事なく勝手にチャリンチャリンとよい小遣いになったものである。

つまり、これらのサービスは購買意欲を有する固定客を定量的に既得しており、このことは訴求力がある商品であれば出品者が動的な販促を行わずとも認知を得られることに繋がる。

さらに、これがご存知『ヤフオク』ともなれば、その広告効果はさらに絶大であり、もちろんこちらでも同様のスキームでオーダーメイドのデジタルファイルを販売できる。

事実として、当方も過去の小商いにおいて無料の広告看板『ヤフオク』からは随分と顧客を融通していただいたものだ。

さらに言えば、これらいずれのサービスも、仮にひとつも売れなくてもコストはゼロである。これを利用しない手はない。

こうしたオーダー品の販売にあたって懸念されるリスクとしては、やはり盗用・転用・転売などの著作権問題であるが、これについては購入者に対して事前に配信サービスへの登録の許諾を得ることで、著作権管理の委託が可能となりリスクが消滅する。

この時購入者に対して提案できるメリットとしては、配信サービスにも流通させることで販売単価を抑えられる、という点が主となろう。

しかし同時に、購入者だけへの『一点もの』であるという訴求は薄れてしまうが、ZOOMSKYPEなどのビデオチャットサービスを利用し、《購入者にはライブパフォーマンスとして提供➡その収録ファイルを流通》というプロセスを踏むなどの工夫を図ることで、購入者の優位性保持と著作権管理を両立できるものと目する。

【クリエイター支援サービス】

『クリエイター支援サービス』とは、いわゆる『ファンクラブ』のように会員が月額会費を支払うことで、支援対象となるクリエイターからのファン限定サービスを受けられるようになるITサービスであり、これも既に国内向け・英語圏の両方のサービスが存在している。

自ら言うのはなかなかに面映いが、『りん小屋ファン』が生まれないとは断言できない。

ならば事業主としてプラットフォームを用意するのは当然の務めである。

ビデオチャットサービスの会議通話を利用して、会員のみを対象とするライブパフォーマンスなどを催したら喜ばれるであろうか?限定サービス内容については追って検討する。

尚、やはり本サービスにおいても利用コストは実売からの仲介手数料のみである。

【その他・補足】

上記の他にも、youtubeからの広告収入をはじめ、実演音声ストリーミングを店舗HPへと掲載してgoogle adsense を設置するなど、様々なマネタイズ方法が想起されるが、キリが無いので前述に留めておく。

さらに補足すると、上記IT戦略のどこまでを事業として実行するかは現時点では不明である。

私人として、身に余るほどの富は望まないし、多忙は全く以て好まない。

私的にはそこに幸福を見出せないし、なんならデジタル画面すら億劫だ。

従って、ITを介した諸般の営業行為は、店舗および出張を含む実演の妨げとならない範囲に留めることを大前提とする。おりんの調べはナマに限る。

さらに論外を申せば、「忙しい忙しい」と店主がしかめ面をしている店なんぞ誰が安らげようか?本末転倒極まりない。

結論として、つまりITを介した営業行為に込めた真意とは、店舗や出張での実演が ”まったくカネにならない程ヒマ” であった場合への備えであり、いかなる逆境においても本事業を存続させるためのリスクヘッジ的側面を前提としたもの、という事を明言し本稿の結びとする。

How much(いくらで?) :資金や売上高、利益の目標

いよいよ最後の”H”である。ちょっぴり寂しい気分である。

しかしながら、この手の話題は駄弁としては愉快であるが、書き起こすとなるといささか疲れてきた。

よって数字とその根拠を、前述の営業項目に当て嵌めながら簡潔に解説する。

【資金について】

まず前述したとおり、本事業の運営にあたってはさほどランコストを必要としない。

基本的に店主がおりんを鳴らすだけであり、そこには仕入れも無ければ燃料も必要としない。

掃除用具やトイレットペーパーなどの日用における消耗品や、各種インフラ利用代金、店主の命を繋ぐための生計程度であろうか?

いずれにせよ、男がひとり生活を営みながら、たまに訪れるお客様を丁寧にもてなせる程度の経費である。

時にはおりんを買ったりもするだろうが、そのような物は売上の中から捻出できる範囲で購入する。赤字の要素は無い。

従ってやはり、前述のとおり大きく必要なのは開店資金となる。

これについては使途に込める野望があるので、『店舗整備計画書』として別紙を用意する。

【売上高・利益の目標】

これについては本当に不毛に感じる。現時点で大風呂敷を広げたとて皮算用に過ぎない。

しかしながら、人様や公共の財産から開店資金を募るのであれば、ある程度の数字と根拠は示さねばなるまい。

ここでは以下に、前述した営業項目それぞれの代金設定(予定)および、その根拠となった思想について解説する。

1⃣拠点店舗営業における代金設定

・おりん実演を伴う一連のリラクゼーションサービス代金

これは本事業におけるサービスの根管部となり、想定顧客を大別すると『葛巻町在住者・同町民以外の顧客』のふたつに分類される。

以下にその代金設定を開示しつつ、その根拠を補足として述べる。

尚、すべての実数は税抜き価格であり、営業時間である13時から18時までの間を任意で自由に利用していただける代金であり、あくまでも現時点での予定であることを前提とする。

《同町民以外の顧客:¥5,000-》

この数字の根拠となった発想は、某大手指圧リラクゼーションサロンの代金である。

その目安とした代金は以下のとおりである。

  • チェアで行う上半身(首・肩)中心のコース:30分/ 3,300円
  • ベッドで行う全身コース:ショート35分/ 4,400円
  • オイルフット(ホットジェルを使い足裏から膝下まで):30分 / 4,400円

これを参照した場合、13時から18時までの5時間を自由に過ごせてなんならおりん音波まで浴びれる当店において、この程度請求しても宜しかろうと考える。

《葛巻町在住者》

前述したとおり、葛巻町在住者からの代金支払いを以て営利を求めるつもりはない。

以下を代金設定とする。

  • 現役として労働収入を得ている方および大学生:¥1,000-
  • 中学生・高校生・年金生活者・無職者:¥500-
  • 小学生:¥100-
  • 未就学児:¥0-

この数字の根拠となった発想として、前述のとおり営利を求めるつもりはないが、無料化して店舗を野放図に解放した場合には、”癒し”を求めて訪れた町外客のリラクゼーションを阻害してしまうリスクがわずかばかり懸念されるため、それを未然に防ぐためという意図が込められている。

《店舗貸し切り代金:¥20,000- +人数分代金》

本事業の性質を踏まえると、「りん小屋を借り切って完全に”ひとり”になりたい」といった要求もあろう。

こうしたニーズに応えるべく、りん小屋敷地を可能な限り外界から断絶し提供するコースを設ける。

この際、上記代金の支払いを経たうえで林道から店舗へと続く最期の一本道に結界として縄を張る。

<本日貸し切りにて、本看板掲示中のご来訪は何卒ご遠慮願います。>

とでも記した看板を、縄にでも下げておけば可能であろう。

近隣住民には事前に説明し、充分なご理解・ご協力が得られるよう努める。

この時、配送業者や検針員の方々など、業務にてやむなく来訪の必要がある方に対しては、事前説明や看板への掲示などを通じて、なるべく静粛に済ませていただけるよう配慮する。

尚、額面についての根拠であるが、大の大人の丸一日を完全にロックアウトするのであれば、せめてこのくらいは頂戴しなければ算盤が合わない、という発想である。

補足として、これらの町外客に対する実演代金には、『SNS割引10%』『お友達紹介割引10%』などのプランを用意することで、より積極的に集客・認知の拡大を図る。

《体験レッスン謝礼金:¥3,000- (制限時間未定・お客様全員が許可する場合のみ可)》

私人としては好きにおりんに触れていただき、ちょっとしたコツなどをアドバイスするのは全くやぶさかでは無い。

しかしながら事業主として考えた場合、やはり野放図に鳴らすことを許可してしまうと他のお客様が寛げなくなってしまう可能性も回避しなければならない。

ご存知の方も多いであろうが、ガッツリ叩くとおりんは意外とやかましいのである。

上記理由を根拠に設けた代金設定および許可条件というわけである。

尚、貸し切りの場合には上記の問題は懸念されないため、体験レッスンも貸し切り代金に含まれるものとする。

・おりんやお土産品などの物販売上

お土産品については極めて副次的なものであり、価格については現時点では全く検討していない。その時にお小遣い程度の値札を気分でテキトーに付ける。

おりんについては、主として骨董品市場より調達することとなろうが、仕入れと考えた場合それほど高額ではない。

実のところ、私人としてこの事実が少しだけ寂しい。

その素晴らしき価値が見過ごされてしまい、ほぼ投げ売り状態となっている事実が寂しい。

踏まえて、りん小屋としてはこの骨董品とされた愛しいおりん達の価値を再生し、おりんが好きになってしまった顧客へと誠意を以て提供したい。

事業主が責任を持って個々のおりんの個性やクセなどを見出し、「このコ欲しい!」と言って下さるお客様へと丁寧にお伝えして販売する。

そうして、この世に『愛されおりん』がまたひとつ再生する。

尚、このプロセスに対する対価はしっかりと頂戴する。

安売りするくらいならば当方が手元で大切に愛で続けるし、投げ売り行為そのものがおりんの価値を安くする。

2⃣出張営業

前述の『貸し切り代金¥20,000-』にて、「大の大人の丸一日を完全にロックアウトするのであれば、せめてこのくらいは頂戴しなければ算盤が合わない」と述べたが、一日ないし一泊二日を拘束される出張においても上記が基本的な基準となる。

上記を前提として、オファーを受けての出張実演代金は現時点で以下と想定している。

  • ①岩手県内の日帰り可能オファー:¥20,000- + 交通費
  • ②宮城・秋田・青森および岩手県内の宿泊必要オファー:¥30,000- + 交通費・宿泊費
  • ③首都圏を含む上記以外の宿泊必要地域:¥40,000- + 交通費・宿泊費
  • ④海外出張:都度見積もり

補足として、②と③の差額の根拠は、店舗帰着日の店舗営業が可能であるか如何を基準に設定した。東京からでも昼には帰れるが、掃除やらの支度が杜撰となってはお客様に失礼となる。

また、対価を頂戴しておりんを実演する場合には実演者も全身全霊をかけて取り組むものとなり、その際には実演者自身が深い忘我状態となるケースも多く、直後の自動車運転は極めて危険である。

従って、基本的に出張は葛巻駅を起着点として公共交通での移動とする。

加えて、夕方葛巻に帰着出来たとしても、店舗入り口には真っ暗闇の林道が待ち構えており、ここの夜間の通行は大変に危険である。

従って、このリスクが考慮される出張においては宿泊を前提とする。

さらに、オファーに基づくすべての出張は、黒字を担保するために交通費・宿泊費をクライアントに請求する。

メシくらいは気兼ねなく食いたいのでこちらは事業主持ち出しとする。

また、出張実演に際して『出張用コンパクトセッティング』ではなく『店舗同様のフルセット』を要求された場合には、大型おりんの送料も併せてクライアントに請求する。

尚、葛巻町内における出張実演については、その企画背景までをも踏まえた協議が可能であると思われるため、ここでは具体的な額面についての設定を保留する。

3⃣IT販売における価格設定について

前述のとおりIT販売においては赤字リスクがほぼ無いと言えるため、こちらについて現時点では具体的な数字を想定していない。

利用するインフラの相場を参考に都度設定する予定である。

③まとめ:~事業計画書に必要な10項目~

ようやく6W2Hを終えたところであるが、「これにて完成!」というには長文すぎてあまりにも読み手に不親切であろう。当方だって毎度の通読は回避したい。

次ページに、事業計画書レクチャー記事から得られた『事業計画書に必要な10項目』を引用し、これまでの総括を紙一枚で一瞥できる状態までの簡素化を試みる。

これだけ見れば大体解るよう、よくぞ纏めたと自画自賛である。

④撤退および引退条件について

未来というものは得てして不確定であり、皮算用など砂上の楼閣である。

ここでは以下に、残念ながら事業の継続が不可能と判断した場合の撤退条件ならびに、喜ばしくも本事業が葛巻町に根付いて持続した場合の店主引退条件を明文化する。

【撤退条件】

本事業による収益からの店舗物件および事業主の生計の維持が困難となり、且つ検討を経ても尚撤退が最善手であると事業主が判断した場合。

※融資を除外した時点で負債に起因する破綻は無いと思われるが、地震雷火事親父、健康悪化や突発事故など、人生何があるか判ったものでは無い。

こうした場合を想定して内部留保金は一定量確保できるよう努めるが、世に受け容れられなければ淘汰を待つのみである。

ちなみに本事業主は修行生活を経て、一般的には極めてミニマムな経済での生活を可能としているが、それでもやはりゼロとはならない。

特に、開業資金を外部より募る時点で、苦境となっても事業の維持に全力で努める所存であるが、あえなくおじゃんとなった場合には平身低頭で事業を畳みおりんを背負って流浪に還り終までをしのぐ。

【引退条件】

夢の項で語ったとおり、小石が岩石へと育まれれば私的にもうれしい。

こうしたハッピーエンドが望ましい。

つまり、事業継承についてである。

経営状態が健全であるならば、初代で畳むのは顧客に対する横暴である。

大きな声で言い回ったりはしないが、当方は弟子志願者に対して門戸を開く。

選定は店主の独断となるが、弟子はひとりと限りもしない。

葛巻町内の労働力として糧は各々確保していただきつつ、店の掃除でもしてくれたならば、手前ごときの知見なんぞ包み隠さずいくらでも伝授する。

そうしてたんぽぽの綿毛の様に、各地に各々で散らばって行き、浮世の音色がわずかばかり鮮やかになれば、音キチとしてこんなに嬉しいことはない。

その綿毛の中に、葛巻に着地したいと願うものがあれば尚更うれしい。

これの開花を待った後、速やかに引退し野良へと還る。

そして”点”から”・”を目指す。

⑤あとがき

語りに語って書きに書いた。

こんなことはもう二度とゴメンだが、お次には『店舗整備計画書』が待っていやがる。

本事業計画書の結びとして私人としての愚痴をぼやくと、これまで長々と記述したような持論や思想の開陳語りは私人として全く以て趣味ではないため、願わくば本事業計画書作成における”一回こっきり”に留めおきつつ、以後は本計画にて企てた行為行動のみに自己表現の全てを委ねたいと切に願うばかりである。前述須らく行為を以て証明する。

私見として、億千万の言葉を費やしたとておりんの一撃が放つ生理反射的説得力には到底及ぶものでは無く、言語論理に依った情報伝達の限界にひたすら徒労を感じる。

だがそれと同時に、おりんを産み出したのもまた”人間”であると思えば、この浮世も存外捨てたものでは無いと頭を垂れて感じ入る。

なればこそ、”お釣り”の今生をこの浮世にトコトン捧げつくすことを終までの私的な娯楽としたい、とボンヤリ欲するものである。

 

 

ご拝読誠にありがとうございました。

令和3年11月1日
りん小屋 店主 点